2009年01月01日

自閉症とキレーション治療

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて。
 読んでいて少々気になるブログを見つけた。似非科学や似非医療に引っかかった人で、自閉症の子供を持つ父親(ムーパパ)のブログだ。

自閉症のサプリメント
   http://diary.jp.aol.com/agknumd7/

 藁にもすがりたい気持ちから似非科学に引っかかったと言うより、科学リテラシーの著しい欠落が原因で引っかかってしまったという印象を受けた。本人に自覚はないのだろうが、洗脳され搾取されていく様が痛々しい。
 ……2006年1月の更新が最後になっているが、果たして元気でいるのだろうか?

 良い歳をした大人が、知識不足から変なものに引っかかるのは、半分自己責任のようなものだろう。問題は、似非科学に引っかかった親のせいで、子供が虐待される事だ。
 ……殴る蹴るだけが虐待ではなく、医学的根拠のない試験の結果を元に、これまた医学的根拠のない商品を飲食させるというのも、虐待の一種だろ?

 虐待云々の話は、とりあえずここでは触れないとして。
 ムーパパが子供の治療の「つもり」で取り組んでいる1つが『キレーション療法』だ。

 『日本キレーション治療普及協会』の説明によると、だ。
   http://www.chelation.jp/therapy/therapy.html
===引用開始===
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)と呼ばれる合成アミノ酸をビタミンやミネラルと共に定期的に点滴する治療方法です。EDTAが金属イオンをキール(ギリシャ語でカニのはさみ)のように掴みとり結合する性質から、キレーションという名前がついたと言われています。

EDTAキレーション治療は、有害金属を取り除く効果があり、抗酸化作用により血管を若返らせ、細胞を活性化する効果があります。抗加齢医学の領域でキレーション治療が注目される理由として、動脈硬化治療効果や有害金属除去による様々な変性疾患の予防と治療効果が期待できる点が挙げられます。
===ここまで===

 キレーションの名前の由来については間違っていない。
 キレートと言うのは、1つの金属イオンに対し2箇所以上で塩になる場合だったような……記憶が曖昧。

 キレーションにより有害金属を取り除くとあるが、キレート剤が有害金属(何をもって「有害」とするのかは不明)と選択的に結合し、体外に排出されるという仕組みに、根拠のある文献は俺がざっと調べた範囲では、鉛以外には見当たらなかった。
 ……鉛中毒患者の治療には使用されているようだが、鉛以外の重金属中毒の治療にも有効と示唆する文献は見つけられなかった。

Ogawa M, Nakajima Y, Kubota R, Endo Y. « Two Cases of Acute Lead Poisoning due to Occupational Exposure to Lead.” Clinical Toxicology, 2008 Apr; 46(4):332-5.
   http://mo-v.jp/?e3db

 ましてやキレーションによる抗酸化作用や、細胞を活性化させるという説明に、根拠の有無を問うまでもない。

 さて。
 このキレーション治療は、ムーパパの例のように、身内(特に子供)に自閉症を持つ家族にかなり広まっているらしい。自閉症の原因が重金属(水銀、Hg)の蓄積によるものと信じているようだ。
 ……水銀原因説を唱えているのは、俺の見たところ「怪しい」サイトが多い。

 自閉児の親からすれば、人並みにしてやりたいという気持ちもあるだろうし、その気持ちを否定するつもりはない。藁にもすがる思いで、この手の耳に心地良く聞こえる似非医療に手を出す気持ちは……残念ながら親ではないので共感できない。
 ……自閉症は先天性のものだそうで、親の自責感を避ける方便に水銀に責任を押し付けるのであれば、なおさらに親の気持ちに共感はできない。

 自閉症の原因はともかく。
 万が一キレーション治療で自閉症が改善されるのであれば、結果を裏付けるデータを取り、正規の医療につなげれば良い。
 しかし実際は、親(あるいは家族や本人)の弱みに付け込んだ商売なので、知見データなどあるはずがなく、自閉症児を持つ家族を称する人の体験談が目につく。

 科学的な根拠がないという事は、平たく言えば、安全性も危険性も確認されていない「医療の真似事」な訳で、実際、キレーション治療は「安全」とは言い難いようだ。キレーション治療が直接の原因ではないが、処方ミスによる死亡例が子供(2歳と5歳)で2件、大人で1件ある。
 ……5歳児の方は自閉症があったという話だから、親が治療目的でキレーション治療を受けさせていたのでは、とは俺の勝手な憶測。

“FDA Links Child Deaths to Chelation Therapy. Drug used to treat lead, mercury poisoning; often used for autism” MSNBC March 2, 2006.
  http://www.msnbc.msn.com/id/11640868/
Centers for Disease Control and Prevention “Deaths Associated with Hypocalcemia from Chelation Therapy --- Texas, Pennsylvania, and Oregon, 2003—2005” March 3, 2006. / 55(08); 204-207
   http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5508a3.htm

 報告によると、子供2人の死因となった処方ミスとは、同じEDTA塩(?)でもNa塩かCa塩かの違いで、どちらも医療施設には普通にある薬品らしい。ただしNa2EDTAは、子供の重金属中毒には使われないらしい。
 ……キレーション療法ではCaEDTAの方を使うようだが、どちらのEDTAにせよ、水銀中毒とその解毒作用に、科学的な根拠はない。

 「EDTAによる水銀の解毒作用」に科学的な根拠はないが、「水銀と自閉症」の関係を「否定する」資料なら見つかった。

Patrick Ip, Virginia Wong, Marco Ho, Joseph Lee, and Wilfred Wong, “Mercury Exposure in Children With Autistic Spectrum Disorder: Case-Control Study” Journal of Child Neurology, Vol. 19, No. 6, 431-434 (2004)
   http://jcn.sagepub.com/cgi/content/abstract/19/6/431

 こちらの資料によると、2000年に5ヶ月間に渡るコホート調査を行っている。
 対象としたのは82人の自閉症児(平均年齢7.2歳)で、55人の定型発達児(平均年齢7.8歳)の、毛髪と血液中の水銀量を計測・比較している。
 自閉症児の血液中の水銀量が平均19.53 nmol/Lなのに対し、定型発達児は17.68 nmol/L。毛髪分析では自閉症児が2.26 ppmなのに対して定型発達児2.07 ppmと、数値は誤差の範囲内であるとしている。
 つまり、水銀と自閉症に関連はないという結論だ。
 ……2004年の文献なので、新しい文献が出ている可能性はある。

 ちなみに毛髪検査に医学的な根拠はない。

 そもそも、なぜ「水銀が体内(主に脳)に蓄積すると自閉症になる」という与太話が出回っているのか、その出所が不明瞭なのだよな。
 ……定型発達者と比較して、自閉症者の脳から有意差のある水銀が測定された、という報告はないようだ。

 検索してみると、日本では2004年3月にTBSの『報道特集』で自閉症の治療としてキレーション治療が紹介されたようだ。
 ……あらかじめ言うまでもなく、自閉症を真面目に取り扱う組織からは、放送内容を否定されている。

NPO法人東京都自閉症協会『自閉症と水銀中毒について―キレート療法は有効か』
   http://www.autism.jp/etc_suigin.html
千葉県自閉症協会『TBSテレビ報道特集「自閉症の原因は水銀?」について』2004年3月14日
   http://www.interq.or.jp/japan/aschiba/tbs_autism_mercury.html
矢崎史郎『自閉症と水銀−TBS報道特集を斬る−』
   http://www.geocities.jp/symyky1019/Autism-mercury.htm

 TBSが取り上げる前でも、キレーション治療が自閉症に有効だとの与太話はあった訳で、似非医療としてのキレーション治療は、1960年代まで遡る。
 ……60年代において既に、キレーション治療推奨者らが主張する効果はないとの報告は上げられているし、何年か毎にこまめにキレーション療法の効果を否定する報告は提出されている。

Green, Saul “Chelation Therapy: Unproven Claims and Unsound Theories” Quackwatch
   http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/chelation.html
American Heart Association “Questions and Answers about Chelation Therapy”
   http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=3000843

 ただし90年代辺りまでは、キレーション治療は心臓病などの疾患に効果があるとしていたようで、自閉症との関係は言われていなかったように見受けられる。
 ……1989年にFDAとAmerican Heart Associationのレポートから、『10大健康詐欺』の1つとしてキレーション治療が取り上げられたのを境に、自閉症治療に移行したのではないかと、俺の勝手な憶測。

 キレーション治療が自閉症の治療(他に解毒作用)に効果があると主張するのであれば、キレーション療法を推奨する団体や医師・医学博士は両手でも足りない程いるのだから、誰かが文献にまとめて提出すれば良い。
 にも関わらず、キレート療法の効果と安全性についての研究をしている業者はいないようで、太っ腹にもThe National Institutes of Health (NIH)が研究費用をねん出したらしい。

Atwood KC, Woeckner E, Baratz RS, Sampson WI. “Why the NIH Trial to Assess Chelation Therapy (TACT) should be abandoned.” Medscape Journal of Medicine, 2008 May 13;10(5):115.
     http://mo-v.jp/?e3dd

 Atwoodらは、始めからキレーション療法の有効性の研究をする必要はないと説いていたらしいけれど、キレーション療法を信じる側の勢いを止める事は出来なかったということか。
 この調査は2009年に終わる予定だ。

 これ以上続けると、自閉症とは関係がなくなってくるので終わりにする。

 とりあえず。
 素人の俺が調べても、これだけ資料が出てくるのだから、キレーション治療がいかに胡散臭い、もっと言ってしまえば「いかがわしい」治療なのかは判りそうなものだ。
 それでもこの治療法に手を出す自閉症児を持つ親は、十分な情報が得られないからではなく、進んで自分の子供を人体実験にしているか、虐待しているように見える。

 一番悪いのは、そういう親の弱みに付け込んで、期待すらできない医療やサプリメントを売り物にしている業者だとしても、ね。
posted by にわか旅人 at 19:47| Comment(1) | TrackBack(0) | 健康増進? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月05日

樹液シートで足裏から毒素排出

 肩こりや慢性的な倦怠感、その他の体調不良の原因の多くは、体内に蓄積された毒素によるものだ。体調を良くするためには、この毒素を体外に排出する必要がある。排出のための最適な器官が、「第2の心臓」と言われる足の裏だ。
 毒素は全身のつぼが集中する足の裏を通じ、体外に排出されるが、その排出能力を一層高めるのが、ハーブ、天然岩石の粉末その他、各種の天然素材のパワーを閉じ込めた「樹液シート」だ。
 寝る前に樹液シートを足裏に貼ると、シート内の天然成分が足裏のつぼを刺激し、毒素を体外に吸い出してくれる。
 その効果の程は、翌朝にシートがどれほど変色しているかを見てみれば明らかだ。シートを変色させたのが、体外から排出された毒素だ。


 俺の回りでは2、3年前に話題になり、今や聞くことのなくなった似非科学商品に『樹液シート』なるものがある。『足裏シート』や他の呼び名もあるらしいが、ここではとりあえず「就寝前に足裏に貼ると、寝ている間に足裏から毒素を吸い出す」という触れ込みの健康グッズを『樹液シート』で統一しておく。

 実は『樹液シート』をネタで買った事がある。ハーブとトルマリン粉末か何かが入っていて、マイナスイオンの効果でナンチャラという触れ込みのあった商品だ。
 使ってみたところ、確かに一夜明ければ樹液シートの色は変わっていた。でも身体の調子や気分が良くなったという事はない。
 それどころか、「これって汗を吸って色が変わっただけだよなぁ」と、染み出てきた液体と糊で汚れた足裏を見つめ、朝から空しい気分になってしまったのは良い思い出……か?
 ……あくまで俺の体験談。ひょっとしたら、プラシーボ効果で気分の良くなれる人がいるかもしれない。

 そもそも、ここで言われる「毒素」が不明なのだよな。
 重金属だとかホルムアルデヒドだとか、その他にも幾つもの「いわゆる毒物」の名前なら時々聞いたけれど、実際に足裏から排出されたというデータは、少なくとも俺が見て回った樹液シートのパッケージにはなかった……と思う。
 ……まぁ、毒素は肝臓で無毒化されて、ほとんどは尿や便で排出されるのだから、排泄器官でもない足裏から、そのような物が出てくると考える方がどうかしている。

 マツキヨで買った樹液シートの経験が、果たして価格に見合う価値があったのかどうかはともかく。
 ……同じ箱の中身で、左右に貼ったシートの色が違っていた時は吹いた。

 ネタで購入した樹液シートが、同じ商品でありながら左右で違う色になった事で、販売していた企業に電話をした。念のため言っておけば、クレームではない。返品はしなかったし、返金も要求していない。1消費者として至極ていねいに、とても当たり前の質問をしただけだ。

 まず先に。
 本当に毒素が排出されているなら、左右で色が大きく変わるとはちょっと考えにくい。左右で蓄積されている「毒素」が別々な訳ないだろうしね。片方が赤茶色、もう一方が抹茶色だったかな?
 左右の色の違いの理由を問い合わせたところ、「わかりません」の回答だった。

 次に。
 俺の知識では、体内の毒素は肝臓で無毒化されて体外に排出されるはず。なぜ足の裏から毒素が排出されるのか、その毒素の種類についても、問い合わせてみた。
 出てきた回答は……「わかりません」「知りません」あたりの要領を得ないものだったと記憶している。
 ……いやいや。毒素を足裏から吸い出していると、パッケージに書いていたのはあんたらだろうが……。
 まぁこれで笑える回答が出ていたら、速攻でブログネタにしていたかもしれない。

 さて。
 余りにもあからさまな似非科学……と言うか「おもしろ似非健康グッズ」な乗りに、当時はこのブログで取り上げる気もなれなかったのだが、この手の商品が海外に輸出されていると遅ればせながら知ったので、慌ててエントリを書いてみることにした。
 メインのソースはQuackwatchと、そこに貼られているリンクだ。
   Stephen Barrett “The Detox Foot Pad Scam” Quackwatch, August 23, 20008.
     http://www.devicewatch.org/reports/kinoki.shtml

 ……「おもしろ似非健康グッズ」と書いたが、あくまで、この手の商品には何ら医学的・科学的な根拠がなく、悪くてもせいぜい足が糊でかぶれる程度の効果しか期待できないと理解して、購入するならの話だ。何らかの効果を期待して、受けている治療を拒絶するような人が万が一にもいる可能性を考慮すると、「おもしろ」いと言っていられないのが現状だろう。

 話を戻す。
 全米で一番有名な『樹液シート』……なのかどうかは知らないが、後で紹介する記事でも名前入りで報道されていた位だから、それなりの知名度はあるのだろう……が「Kinoki Foot Pads」という商品だ。
     http://www.buykinoki.com/
 ……2008年10月5日現在、Kinoki社の「Foot Pads」はオーダーフォームしかないが、9月下旬までは商品の画像も紹介されていた。

 そしてこちらが、Amazonで販売している『樹液シート』
     http://xurl.jp/0nd
 ……購入は自由だけど、お金の無駄なのであまりお薦めはしない。
 とりあえず「Foot Pads」と「樹液シート」が同じ種類の商品を指していると理解してもらえれば良い。

 とは言え。
 この手の商品を肯定する人達からすれば、「アメリカにも輸出されているのだから、効果は本物だ」と胸を張って俺の発言は誤りだと指摘したくなるかもしれない。
 ……樹液シートの効果を云々する前に、足裏から排出される『毒素』と、排出のメカニズムをきっちりと説明してもらいたいものだ。

 しかし肯定する人達には残念な事に、この手の商品が似非科学であると、あちらのTV番組でも報道されるに至っている。
   John Stossel “Ridding Yourself of Toxins, or Money? Company Says Kinoki Foot Pads' Capture Toxins From Your Body'” ABC News, April 11, 2008.
     http://abcnews.go.com/Health/Stossel/Story?id=4636224&page=1
 と言うか、俺の知る範囲では日本では話にも上がっていないのに比べれば、あちらの食いつきはなかなかに良い。

 しかもKinoki社は一方的に否定する報道をされたのではなく、毒素その他を排出する根拠を教えてほしいとの要望に、科学的根拠のある資料を出さなかったし、インタビューにも応じなかったと言うのだから、どのように解釈されても仕方あるまい。
 ……似非科学な商品の常として、科学的根拠を問われると、意味不明な大量の体験談ばかり出してくる日本の業者とは少し違うかも。

 似非科学に対する日米の企業とマスコミの対応の差はさておき。
 俺が販売会社に問い合わせても詳細の不明だった「毒素」だが、上述の報道では、重金属他、23種類の溶媒を含めた成分分析をしたとある。
 ……訳はうまくないが、意味は通じると思う。
===引用開始===
The lab tested for a lot of things, including heavy metals like arsenic and mercury and 23 solvents, including benzene, tolulene and styrene and found none of these on the used pads.

訳)研究室でヒ素や水銀などの重金属、及びベンゼン、トルエン、スチレンなど23種類の溶媒の多くの試験を行ったところ、前述のいかなる成分も使用済みシートからは検出されなかった。
===ここまで===

 ……はて?
 樹液シートは体内の毒素(重金属やら何やら)を足の裏から吸い出すのだよな? それがまったく検出できなかったって? それじゃあ、いったい何を吸い出しているのだ?
 ……やっぱり、汗……しかないわな。

 そしてABC Newsでの報道の後、とあるラジオ局でも似たような調査を行ったらしい。下記の引用文はQuackwatchからのもの。
===引用開始===
she had her husband wear pads overnight and then too them to a laboratory for testing. The lab found that the heavy metal content of the used pads were the same as that of an unused pad, which meant that the pads don't "suck out any toxins." Then she held an unused pad over a pot of boiling water. The steam caused the pad to turn black, indicating that the dark color that results from wearing a Kinoki pad is caused by a chemical in the pad that reacts to moisture.

訳)彼女(ラジオの人)は夫にシートを一晩貼り付けさせた後、研究所で分析した。研究室では使用済みシートと未使用シートの重金属の濃度に変化を観察できず、これはすなわち、シートが「毒素を吸い出して」などいないという意味である。次いで彼女は、未使用のシートを沸騰したお湯を入れたやかんにかざしてみた。蒸気によりシートが黒く変色したことで、Kinoki社の樹液シートが変色するのは、中の成分が湿気と反応するからだと結論できた。
===ここまで===

 ……化学反応での何でもなく、乾燥した粉末に水分が加わると、粘度と色が出てくるのと同じ理屈だと思うぞ。別の樹液シートを使用した経験から言って。

 さてさて。
 このエントリの頭から断言している事だけれど、化学名すらはっきりしない「毒素」が足裏から排出されるなどまずあり得ないし、足裏がそんなに大事なら、一部の身体障害者らは毒素を排出できずに毎日生死の境をさ迷っている訳で……と言うか、肝臓なんかいらないだろ。

 別のエントリでも書いたことを、ここでもう一度書いておく。
 ……肝臓以外の個所で解毒できる器用な人達は、それのできない不器用な人達に肝臓を譲ってくれ。
posted by にわか旅人 at 15:29| Comment(3) | TrackBack(0) | 似非科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月16日

水素水で美容商品開発?

 この1年程、多忙のために展示会にまったく足を運べずにいる。

 2008年9月3日の『健康産業新聞』のコラム「話題追跡」で、今回行き損ねた『ダイエット&ビューティーフェア2008』についてちょっと触れていた。
===引用開始===
 先月27日に閉幕した「ダイエット&ビューティーフェア2008」では、水素化粧品をはじめ、水素水を浸したコットンをパックに使用する新たな施術を提案する企業、水素水をスパ向けに提案する企業――など、水素水の美容用途での商品開発が活発化していることがうかがえた。これまでの水素水や水素サプリメント、化粧品など美容商材が加わることで、水素マーケットの相乗的な拡大が期待されている。
===ここまで===

 俺的には、「水素水」は「水素原子が安定状態で単体で存在し、優先的に活性酸素と結合して水になる」という似非科学の「活性水素」とほぼ同義なので、どうしても否定的になってしまう。
 ただし「水素水」とは、水素を溶解させた水の事で、「活性水素」とは別物だ。
 ……水素の溶解度は知らないが、さほど大きくないと思うのだが……とにかく頭の中で整理しておかないとな、うん。

 さて。
 この水素水がどうやら健康に良さそうだ、という話を持ち出してきたのは、日本医科大学の太田成男教授だ。

読売新聞『水素水に記憶力低下抑制効果、日医大教授がマウスで確認』2008年7月19日
    http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080718-OYT1T00613.htm(リンク切れ)
===全文掲載===
 水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。

 認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。

 ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、記憶力が、水素が大量に溶け込んだ水と通常の水を飲ませた場合でどのくらい違うか、10匹ずつ、三つの方法で6週間かけて比較した。

 その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった。記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。

 研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞による脳障害を半減させることを確認。認知症は活性酸素などによって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。
===ここまで===

 記事で取り上げている水素水は、飲用つまり内用で使われているのであって、化粧品やらスパ等の外用での有効性には触れていない。
 ……しかもこの研究は記憶力に関するもので、ダイエットや美容に関係する話ですらない。

 念のため、『ニューロサイコファーマコロジー』に掲載された論文の概要も読んでみた。

Nagata K, Nakashima-Kamimura N, Mikami T, Ohsawa I, Ohta S. “Consumption of Molecular Hydrogen Prevents the Stress-Induced Impairments in Hippocampus-Dependent Learning Tasks during Chronic Physical Restraint in Mice.” Neuropsychopharmacology. 2008 Jun 18.
http://xurl.jp/gzc

 概要には何匹のマウスを使ったか、マウスの体重で何ml/kgあたりの水素水を与えたか、実験は何日行ったのか等の説明はない。水素を飽和状態まで溶解させたとあるけれど、空気の分圧の関係で水素はすぐに抜けてしまうと思うのだが……どう解決しているのかの記載もない。
 ……あくまで素人考えなので、俺の素朴な疑問が、実験にどれだけ影響するものなのかは知らない。

 ともかく、だ。
 概要によれば、ストレス下にあるマウスに水素水を飲ませると、記憶力がストレスを受けていないマウス並になったとある。ストレスを受けていないマウスに水素水を飲ませても、記憶力に変化はなかったという下りは、新聞記事の方にはない。

 さてさて。
 概要からは水素水を外用に用いたと、俺には読み取れないのだよな。
 まあ、この手の美容や健康関連の業者は、間違えても効果云々を口にする訳にはいかない。もっと平たく言えば、薬事法で認められている以上の効果を謳えないし、効果があってもいけない。動物実験のレベルで、ましてや外用ではなく内用の結果であっても、「○○○○大学の△△△教授が□□□□学会で発表しました」という箔があれば、利用できる範囲で利用するし商品化にもする……のだろう。
 ……こういう一種の詐欺まがいな行為が業界として健全なのか、業界を健全にするのかどうかの是非は、ここでは触れずにおく。

 水素水を題材に、どんな怪しい商品を作ろうが、仮に構わないとしても……化粧品やスパに使うのは失敗だと思うだけどね。上の方で述べたけれど、空気分圧の関係で、製造時に水素が飽和状態になっていても、運送時で水素が抜け切ってしまう怖れがなきにしもあらず、コットン等なら開封直後で水素は確実に抜けてしまう訳で。
 ……何年か後に、水素水化粧品で宣伝通りの水素が検出されなかったと、公取委から排除命令が出なければ良いな、と。

 ……ちなみに、日本医科大の太田教授については、『PSJ渋谷研究所X』の方で詳しく触れている。
   PSJ渋谷研究所X『水素水と認知症?』2008年7月19日
     http://shibuken.seesaa.net/article/103164964.html

 水素水の基本を、こちらのサイトでまとめている。
   瀬名NEWS『水素水研究の基本を理解するためのリンク集』2008年8月11日
     http://news.senahideaki.com/article/103365233.html

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2008年08月19日

「血液サラサラ」で実刑判決

 apj氏の『Archives 書くことは考えること』の2008年8月18日のエントリを読んでいて、1年以上前の記事を思い出した。

   読売新聞『血液サラサラは顕微鏡で細工、元営業マンが商法を暴露』2007年6月29日(リンク切れのためURLは表示しない)
===引用開始===
 「血液がサラサラになる」と健康効果をうたい、高額のブレスレットを売りつけていた元営業マンが読売新聞の取材に応じ、「セールストークには科学的な根拠は何もない」と詐欺的商法の内幕を語った。
   (中略)
 男性によると、入社後すぐに3日間の研修でノウハウをたたき込まれた。血液をガラス板に挟んで顕微鏡にかけ、映像をモニター画面に映す。血液の多い部分に焦点を合わすと、「ドロドロ」に見える。ガラス板を指先で軽く押し、血液を薄く広げると、「サラサラ」の血液のように映る。

 男性はペン型の小型採血器を使って自分の指から100回以上採血し、手を血だらけにしながら練習を重ねた。この段階で嫌気がさして辞めた同僚もいた。

 上司から厳しく指導されたのは、医師法や、薬事法違反での摘発逃れのやり方だ。小型採血器は客自身に使用させる。営業マンが客から採血すれば医師法違反になるからだ。薬事法に抵触する「効く」「治る」などの効能を口にしない。巧みに不安をあおり、「ブレスレットをつけた方がいいですね」と助言する形で売り込むよう指示された。

 「血液がドロドロですから、このままでは脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞になりますよ」

 昨年夏、中部地方で開かれた呉服の展示即売会。男性はその一角に設けられた自社コーナーで、採血した60歳代の女性に顕微鏡のモニター画面を示し、そう説明した。女性が動揺しているのがわかった。

 商品の銀製ブレスレットを左手首に試着してもらってから約15分後。再検査で「サラサラ」の血液の映像が画面に映ると、周囲からどよめきが起きた。「特殊加工でマイナスイオンが発生し、血液がサラサラになるんです」。お決まりのセールストークで、この日、40万〜15万円のブレスレットを数本売った。
   (後略)
===ここまで===

 この記事でのブレスレットは銀製だが、俺的にはゲルマニウム製のブレスレットの方が「悪い意味で」身近だったりする。
 ……この1年近く多忙で行けずにいる怪しい系の展示会では、この手の物をよく見かけるという意味で。

 材質が銀にしろゲルマニウムにしろ、幸いというか何と言うか、展示会で実際に血液を採取している現場を見かけたことはない。
 この手の展示会に出展する企業の人に聞いた話だと、薬事法や医師法に抵触しない方法で、いかに視覚的にインパクトを持たせるかに、毎回頭を痛めているそうだ。血液だとインパクト抜群だけれど、採血のための医師が必要、で、医師を臨時で雇おうにも、使用済みの注射針の始末などもあり、今度は保健所への申請で引っかかるとか。
 医師でも何でもない社員(企業によっては展示会のためだけの派遣)に、それらしく白衣を着せるのが、取れる方法としては限界らしい。
 ……来場者本人に採血させようと考えていた企業は、幸い俺の知っている範囲ではいなかった。

 マルチ商法などに加担している医師などは、「○○○社の△△△という商品は素晴らしい。×××に効果がある」というスピーチをしてくれるから、そういう医師と仲良くなれば良いのでは、などと話したことは……あったかな?
 ……まぁ、一般的な医師だと、こういう場所で名前を使われるのを避けるため、なかなか協力してもらえないという話は聞いた。

   読売新聞『「血液サラサラ」腕輪詐欺 容疑の社長ら逮捕 被害、8200人24億円か』2007年11月6日(リンク切れのためURLは非表示)
===引用開始===
 血液がサラサラになる、と健康効果があるように偽ってブレスレットを売りつけたとして、千葉県警生活経済課と鎌ヶ谷署は6日、東京都豊島区の健康器具販売会社「サンキョーコーポレーション」社長の同区池袋2、梶本稔容疑者(60)と同社幹部ら計7人を詐欺の疑いで逮捕した。
   (中略)
 調べによると、梶本容疑者らは2006年2月から10月までの間、お年寄りの女性ら愛知県などの計18人に、健康効果があるように偽って1本約2万円で仕入れた「ゲルマニウムブレスレット」を25万〜30万円程度で販売し、計約680万円をだまし取った疑い。

 梶本容疑者らは、健康食品や健康器具を特設会場で即売する内容のチラシを、住宅のポストに投函(とうかん)するなどして客を集めていた。特設会場は、空き店舗を借りるなどして短期間で移動を繰り返し、販売場所を転々としていた。

 客に自分の指先を針で突かせ、ブレスレットを使用する前後の血液を採取。それぞれの顕微鏡画像をパソコン画面に映し出し、使用前は「赤血球が数珠つなぎになっている」などと説明。使用後はカバーガラスをかけて赤血球間のすき間をあけ、「どろどろだった血液が改善された」などとだましていたという。
   (後略)
===ここまで===

 材質は何であれ、『血液サラサラ』商法では、手口はどこも同じなようだ。しかもこれ、SF商法でないかい?

 さて。
 apj氏のところでも紹介していた元社長の経営していた企業が、この「サンキョーコーポレーション」だ。

   読売新聞『「血液サラサラ」のニセ腕輪販売、社長ら4人に実刑判決』2008年8月18日
   http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080818-OYT1T00359.htm
===全文掲載===
 「血液がサラサラになる」と偽って効果のないブレスレットを売ったなどとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた健康器具販売会社「サンキョーコーポレーション」(東京都豊島区、破産)の元社長梶本稔(61)ら4被告の判決が18日、千葉地裁松戸支部であった。

 伊藤正高裁判長は「中高年層の健康不安をあおり、これにつけ込んだ巧妙で悪質な犯行」と述べ、梶本被告に懲役5年6月(求刑・懲役7年)を言い渡した。ほかの3被告にも、それぞれ懲役2〜4年の判決。

 判決によると、梶本被告らは2006年1月〜11月、全国で販売会を開き、採血した血液の顕微鏡画像を見せるなどしながら効果を信じ込ませ、38人にブレスレットやリングを販売し、1391万円をだまし取った。

 千葉地検松戸支部は当初、詐欺罪で起訴したが、組織的に詐欺を繰り返したとして訴因変更した。梶本被告は「詐欺目的の会社ではなく、組織性も低い」と主張していた。
===ここまで===

 元は詐欺容疑で逮捕・起訴、それが組織犯罪処罰法違反に変更して、実刑判決となっている所が結構興味深い。
 ……apj氏が指摘しなかったら、見逃していただろう事は秘密だ。

 つまり、いわゆる健康産業……似非科学やらオカルトやらが跳梁跋扈している怪しい業界は、かなりの企業が組織犯罪処罰法違反に該当する事になるのではないだろうか。
 ……ほとんどの「健康に良い」などというフレーズには科学的根拠に乏しい、というのが俺の経験則。中には都市伝説もあるし。

 まぁ、元々が薬事法すれすれトークをかます「詐欺的」から、「組織犯罪的」になるだけで、大した差はないのかもしれない。
 ただ中には、本気で似非科学やオカルト・都市伝説の類を信じて商品を売り込む企業がいる訳で……と言うか、「自社商品の良さを信じないで、客に商品を勧められるのか?」とかの精神論を考えてしまう辺り、俺もそれなりに毒されているのかもしれない(何に?)

 ……どこの展示会だったか……。
 どこかの岩を抽出したと言う、要するに泥水の薄茶色い上澄み液を『ミネラル水』を称して販売していた企業の社員に、色々と突っ込みを入れていたら、最後に「それでも、この商品が健康に良いと信じています」と胸を張られた事を思い出してしまった。

 ともかく。
 科学的根拠のない似非科学な代物を販売していると、商品の良さを信じていようがどうだろうが、詐欺罪ではなく組織犯罪処罰法違反で逮捕されかねなくなった、という事だ。
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2008年07月13日

警報!FXソフト

 過去エントリで俺なりに「FXソフトの投資詐欺」と判断していたマルチ商法の株式会社オール・イン(北海道札幌市北区)が、5月26日の週になってHPを一新した。
     http://www.allin.jp/index.html

  過去ログ『投資詐欺オールインとスターライン』2008年4月26日
     http://tsure-zatsu.seesaa.net/article/94788312.html

 4月のエントリで、オールインが詐欺だと判断する材料は十分提示したつもりだったので、改めて書くつもりはなかった。……のだけど、一新されたHPも怪しさ満点だったので、とりあえず追加してみた。

 FXソフト『ビクトリーランVictory Run』や『FX』の単語が消え失せ、代わりに分子矯正医学だのリゾートなどの単語に取って代わっている。
 ……多分、下の2つの記事の影響だろう、と勝手に推測。

  北海道新聞『売買ソフトでFXなど勧誘 会員制業者の監視強化 金融庁方針』2008年5月22日
===全文掲載(赤色は当方にて着色した)===
 金融庁は二十一日、株式や外国為替証拠金取引(FX)など金融商品を自動売買するソフトで投資を募る業者に対し、監視を強化する方針を固めた。会員制でソフト利用を提供している業者に投資助言業者としての登録を要求。「ソフト提供だけで運用は別の業者」といった規制逃れを許さず、不透明な取引による投資家の被害防止を目指す。

 自動売買ソフトは、コンピューターが自動的に株式やFX取引を行って運用益獲得を狙うもの。操作にはある程度の知識が必要とされる。

 しかし、札幌の業者が会員に運用実態の詳細を伝えないまま「専門知識や技術は不要」として会員を拡大。同じような手法を取る業者が全国で増えているため、投資家保護の観点から対応を強化する。

 対象は、ソフトの使用に会員制を採っている業者で、店頭などで不特定多数に販売されるソフトの業者は対象外。登録業者には顧客への投資リスクの詳細な説明や業務内容、資産の運用状況についての報告などが義務づけられる。違反の場合は、業務停止といった行政処分が下される。

 同庁は、会員が自動売買ソフトの購入、使用や入会を第三者に対して勧誘する行為も投資助言・代理業に該当すると判断。この場合、会員も同庁への登録が必要になる。登録には五百万円の供託金が必要。

 この種の業者は会員が新たな会員を集める連鎖販売の形式を取るケースが多いが、今後は難しくなるとみられる。
===ここまで===

 オールインは業者登録を行っていないので、投資名目で会員を募る行為そのものが違法活動だ。

 それよりも、こちらの記事の方が投資詐欺のオールインには打撃が大きかったと思う。

  北海道新聞『金融庁、登録要請へ 札幌のFXソフト提供業者』2008年5月24日
===全文掲載(赤色は当方にて着色)===
 金融庁は二十三日、会員制で外国為替証拠金取引(FX)の自動売買ソフトを提供している札幌の業者に、金融商品取引業者としての登録を求める方針を固めた。従わない場合は違法行為とみなし、FX関連業務の停止を指導する。

 この業者は独自開発したという自動売買ソフトの使用を提供。会員はキプロスの電子マネー業者に運用資金を振り込み、資金の転送を受けたパナマのFX業者がソフトの指示で運用しているとする。

 金融庁は、外国のFX業者を通じた資金運用でも、国内の投資家に仲介する行為は証券会社などと同じ第一種金融商品取引業に当たり、会員制による自動売買ソフトの提供も投資助言業に当たると判断。同庁の監督指針に基づいて、登録を要求し応じない場合、FX関連業務の停止を警告。警告に従わなければ刑事告発も含めて対応する構え。

 この業者は自社のFXソフトを使った投資には「専門知識や技術は必要ない」と説明。会員が新たな会員を集める連鎖販売の仕組みを利用し、三万人以上の会員を集めているとされるが、実態は不透明で「きちんと運用されているのか不安」とする相談が金融庁などに相次いでいる。
===ここまで===

 いずれの記事も、話題の業者がオールインだと断定していないし、FXの自動売買ソフトをマルチ商法で広げている業者が、北海道にどれだけいるかは知らない。
 だけど俺の限られたアンテナに触れる業者は、オールインしかないのだよな。
 ……それにキプロスにある電子マネー業者って……ここまで条件の揃う業者が、他にあるのか?

 オールインに集めた資金を運用する、ないしは助言する能力があるなら、5百万円払って登録申請をかければ良いので、慌てて『ビクトリーラン』をHPから削除する必要はない。……元が詐欺だから、金融庁に目を付けられて慌てて逃げを打ったのかな?

 7月になった辺りから、複数のブログや掲示板で、オールインの外国為替証拠金取引業の登録を完了したとか、どこかの投資企業を買収したという話をちらほら見かけるようになった。
 しかしそれを裏付けるソースは、今のところ一つも見つけられずにいる。登録や買収云々を主張しているのもオールイン会員のブログや掲示板で、オールインのHPでは何一つそれられしい事に触れていない。
 ……金融庁の外国為替証拠金取引業者のリストにも、2008年7月12日現在、オールインの名前を見つけられずにいる。
     http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kinyushohin.pdf

 「会員が勝手に言い回っているだけで、主催企業が言ったのではない」の姿勢で通すつもりかな?

 まぁ、それでも投資の振りはしているので、前述の根拠が出てくるまでは違法行為を続けていると見るのが無難たろうな。
 ……某エビ養殖詐欺と同様、集めた資金は海外に逃がして投資はしていない、が俺の予想。

 そもそも、中味のない急ごしらえのHPからして、近日中に夜逃げしても驚きはしない。

 さて。
 HP上はFXから撤退したオールインの次なる詐欺商材は、HPのほとんどが6月10日まで工事中のため不明だったが、11日になり追加された。

1. i-pointショップ
 これはキプロスにある架空口座に入金し、「I-ポイント」という電子マネーを購入、それを通じてネットショップを行うという代物。
 過去ログで示したように、G.T. I. Point社はオールインの架空口座だ。表向きは海外のポイント企業なので、為替変動もあるから1ポイント=\1なのがそもそも疑問なのだが……。これはもう、ドブにお金を捨てる……否、詐欺師に次の詐欺行為の原資を与える……行為になる。
 それに通常、ネットショッピングで電子マネーは使わない。俺の場合、郵便振替か、キャッシュカードでの翌月引き落としを使う。
 ……ネットショップすら開いていないのに、ポイントだけは購入しろというのは噴飯もの。「円天」よりもお粗末だ。

 しかも稼動は10月からの予定と謳っている。それまでは、使い道のないポイントを購入するしかない訳で……。

 「ビジネス提案ができる」という項目もある。ざっと説明を読んだところ、スターライン社ばりの『ジョイントビジネス』のような内容だ。

 ちなみに『ジョイントビジネス』とは、「専業の営業がいる商品を、営業経費・実費は本人負担、商品研修なしで素人に販売させ」、その上に参加費用として会員費を毎月むしりとる、詐欺と断言しても差し支えない凶悪な「ビジネスもどき」だ。
 ……深く考えるまでもなく、このようなものに参加して、素人に利益が出せるはずもない。会員が利益らしきものを得ようと思ったら、「ジョイントビジネスに参加する資格」という、形のないもので会員を募るしかないので、詐欺まで行かなくとも、ネズミ講の要件は満たすのではないかと思う。

2. オール・インヘルスチェックシステム
 最新の予防医学『分子矯正医学』による最適な栄養補助提案……だそうな。
 分子矯正医学(Orthomolecular Medicine)は、ノーベル賞を2度も受賞したライナス・ポーリング博士が提唱した医療だ。残念ながら、この説を裏づけする学術的な見識はまだなく、似非科学やサプリメントを販売する「よろしくない」類の業者が、「ノーベル賞を受賞した偉い人だから間違いはしない」と言うお粗末な権威付けに使っているのが現状だ。
 ……「ビタミンを摂れば摂るほどヒトは健康になる」の「メガビタミン説」と言えば判りやすいか?

3. Live For(リブフォー)
 これがi-poiontショップかな?
 2008年7月1日現在、商品数は10点にも満たず、価格(この場合はポイントか)すら設定されていない。
 ……動いてすらいないネットショップのために、毎月会員費を払わせるって、どんな詐欺だよ?

4. グランドリゾート
 収益性を無視した高齢者向け住宅プロジェクト。
 ……収益がなければ企業として成り立たないので、はなっから虚偽だと思ってよい。掛け声だけで、土地の1坪の手配すらしていない、が俺の見立てだ。
 住宅や不動産、介護関係には詳しくないのだけど、業者登録が必要ではないのか? オールインが業者登録をしていないだろう事は、容易に想像できるが……。

 さてさて。
 FXの詐欺行為で荒稼ぎができなくなったオールインの新ビジネス(らしきもの)を駆け足で追ってみたが、始まる前から破綻しているとしか思えない代物ばかりだ。
 俺的には、ビジネスと呼ぶもおこがましいビジネスビジョンだし、「絵に描いた餅」状態なので、ネズミ講よりも詐欺と称するのが妥当ではないかと思っている。
 ……これで会員から毎月、『Victory Run FX』の使用料を集めているのだろ? FXはもうやっていないのに。

 ところで。
 オールインの会社概要での事業内容もHPのリニューアルに合わせて一新されている。
     http://www.allin.jp/gaiyou.html
===引用開始===
事業内容 ・ショッピングモール展開
     (1)オール・イン・ショッピング
     (2)各種商品の提案・交換
     (3)LiveForブランド
     (4)ドロップシップ(ホームページサイト
及びオリジナルホームページの利
用権)
     (5)PTS-NAVI(健康チェック)
===ここまで===
 ……グランドリゾートの名目が入っていない。

 そしてこちらが、HP一新前の事業内容。
===引用開始===
事業内容 ・コンピュータ開発及び販売
     ・ジャパンネット銀行決済を使用した・・・
     ・電気通信機及び電子機器器具の部品の販売
===ここまで===

 HPの事業内容を書き換えるのは、それこそ1日もかかるまい。
 だけど登記簿の書き換えは……?
 ……ここまで業種が変わるのは、企業としての方向転換などという生易しいものではないぞ。
posted by にわか旅人 at 21:17| Comment(1) | TrackBack(0) | 悪徳商法追放 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月14日

Qビットテクノロジー

 『健康産業流通新聞』の2008年4月8日号にて、空水光研究所株式会社の所長、齋藤英彦氏の「Qビットテクノロジー」なるものが紹介された。
 これはどういう代物かというと、
「食材や花や土や機械などさまざまものにQビットエネルギーを照射することで鮮度を保ったり、異臭を除去したり、毒性を取り除いたり、性能や効果を高めたりできます。実際に2〜3日しか持たない魚を冷凍せずに1ヶ月持たせたり、1週間で腐り始めるイチゴを6ヶ月間保存したり、なかなか困難なダイオキシンで土壌汚染された土地を浄化したり、たとえばプラセンタの異臭を機能性を落とさずに脱臭したり、硬い肉をやわらかく甘く熟成させたりとQビットテクノロジーは生命や物質に対して影響を与えます」
 だとか。

 ヒトにとって都合の良い効果だけを持つものなどないので、この説明を読んだ時点で胡散臭いと判断できる。記事を読み進めたところ、なかなかに香ばしかったので紹介する。

●Qビットテクノロジーとは
 QビットのQは、Quantum量子のQから取ったもの。ビットは単位。で、量子レベルのエネルギーという事で、『Qビットエネルギー』と名づけたのだとか。
 そして『Qビットエネルギー』を出す技術が『Qビットテクノロジー』である、と。

 ……量子レベルのエネルギーって……。J(ジュール)cal(カロリー)W(ワット)などの単位で表せないものを、そのまま受け入れる訳にはいかないなぁ

 これだけでは判りにくいので、記事から引用する。
===ここから===
地球のあらゆる物質、あらゆる生命体は原子でできています。原子は原子核、陽子、中性子、電子、中間子などでできています。これらが量子と言われているものです。この量子レベルに自然と共生するエネルギーを与えることができれば、健康被害や環境破壊を抑えることができるのではないかと思ったのです。
===ここまで===

 この説明だけで、少なくとも俺の住む世界の住人ではないのは判明した。
 ……原子に陽子・中性子・電子以外に、「中間子など」という別物が混じっているって、どういう世界よ。しかもこれらが一緒くたで「量子」って……。

 エネルギーはどこまで行ってもエネルギー、「自然と共生する」などという都合の良い選択性など持ち合わせてはいない。
 なものだから、エネルギーを(仮に)与える事ができたとしても、健康や環境に影響は与えられない。
 ……なんだろう、「原子力エネルギー」と「風力エネルギー」は異なる「エネルギー」だと言ってはばからない人達と同じ匂いを感じる。

===引用開始===
生命は地球の磁場の力と太陽のエネルギーの創造物ではないでしょうか。だとすれば地球が出している電磁波と太陽の出している電磁波を融合させたエネルギー発生装置を作ろうと考えたわけです。
===ここまで===

 生命の起源については色々と議論が交わされていて、まだ結論が出ていないと記憶している。「電磁波による生命発生」説は初耳だ。
 ……しかしまぁ、トンデモな新仮説として読む分には面白いけれど、実用化を目指すとはね。

===引用開始===
Qビットエネルギーは生命が欲しがっている微振動なのです。すべてのものは微振動でできているのです。生命があるのも生命を活性化している微振動があるからです。
===ここまで===

 ここで言っている『微振動』とは、オカルトの『波動』の事だ。「ニュートン以来の物理学では、水の記憶や波動のことはわからない」という下りもある。

 ……って言うか、生命の説明が二転三転しているってどういうことだ。

●Qビットテクノロジーのメカニズム
 予想はできるだろう。一言で言って、「未だ解明されていない」。
 ……と言うか、解明できる代物ではないし、解明したいのであれば、別の宇宙に行く方が早い気がする。

 あくまで解明できていないのは理論の部分で、実用できる代物は開発できているという主張だ。
 ……ぃゃぃゃぃゃ。そんな簡単に量子をどうこうできるのなら、何千億円もかけて粒子加速器を建設する必要がないだろ? それこそどこかの研究室に持ち込めば、ロイヤリティ1%でも10億円単位が寝ていても転がってくるって……。

 まぁもっとも、その技術の基礎が、
 「鉱石や色の層を作り微量なエネルギーを発生させています」
 では、中味は推して知るべし。

===引用開始===
これだけではありませんが様々な工夫をして人体や生命、肉や魚や野菜、水や土、機械などを活性化しているのです。
(中略)
化学の世界とは異なる世界が広がっています。化学の技術で作られた物質が地球環境を破壊していることが多いのですが、このQビットテクノロジーは自然と共生する量子レベルのエネルギー技術といえるかもしれません。
===ここまで===

 Qビットテクノロジーは化学ではないと認めたか。しかしどういう訳か、量子物理学でなら説明できると言いたいらしい。
 ……化学や物理学のかなり難しいレベルまで習得していないと、量子物理学には手が出せないと思うのだが……。

 Qビットテクノロジーには色々と工夫はしているようだが、根底にある技術は『カラーセラピー』の本を読んで開発した『カラーエネルギーチップ』らしい。それを産後、寝たきりになった奥さんに使用し、3年後には起き上がれるまで回復したのを見て、
 「自分の技術には何か生命を活性化する力が確実にあると感じた」
 のだそうだ。
 ……「使った」「治った」「効いた」の典型的な『3た論法』。体験談が科学的な根拠とならないのは言わずもがな。

●医療現場でのQビットテクノロジー
 冗談抜きで危なくないか?
 高額な玩具程度なら、ネタと理解して購入する分には何も言わないでおく。だけど効果があるとは到底思えない代物を、生死に関わるかもしれない医療現場に持ち込むのは問題があると思う。
 ……勿論、きちんとデータが採取されていて、それを元に医療現場で使っているなら、それは俺の早計でしかないが。

===引用開始===
量子レベルのエネルギーを出すことで分子、細胞を調整する働きがあります。医療の現場でも使われています。東洋医学に詳しい落合歯科医院の落合先生は治療の現場で活用しています。手術のときも、止血などに有効だといっています。他にも何十人もの医師が利用しています。
===ここまで===

 『落合歯科医院』は検索すると何軒も出てきた。東京、栃木、厚木、秩父などなど。ただし『Qビットテクノロジー』に関係した治療を行っている医院は見つけられなかった。
 ……どこの落合歯科医院かは知らないが、付き合いで「有効だった」とのリップサービスを受けて、それを真に受けた可能性もありそうだ。

●CO2の節減とエコにも有効
 Qビットテクノロジーを利用すると、ほぼ全ての社会問題が解決できるらしい。

===引用開始===
おそらくこの技術でほとんどのことで電気代、つまりCO2削減ができると考えています。ボイラーやエンジンに取り付けることもできます。Qビットエネルギーを照射した断熱塗料藻ロケットにも使われるなど評価は高く、建物に塗るだけでCO2の削減効果があります。
===ここまで===

 更にはコンピュータ関係の放熱問題も改善できるし、機械の性能もアップ。つまり処理速度は上がるし、メモリとハードの容量は増えるというのかな? 車に取り付ければ燃費が向上するし、燃焼した際に出るNOxは少なくなるし、車の騒音すら軽減できる。冷蔵庫に取り付ければ氷点下に温度設定しても凍らないし、多少高い温度に設定しても腐敗せずに熟成するのだとか。
 ……どう手を付ければいいのやら……。ここまで来ると、大言壮語をにやにやして読んでいくしかない。

●量子物理学は宗教です
 こう言っているのは俺ではなく、記事の斎藤英彦氏だ。

===引用開始===
量子物理学の世界は粒子の不可解な動きの解明ですから、古代の医学や、般若心経ともつながっています。量子的レベルで見れば人も物もつながっていて、ある意味宇宙はひとつの生命体だと、量子物理学は科学的に示唆してくれます。
===ここまで===

 俺の読解能力に難があるのかもしれない。
 「量子物理学は難解だから、古代の医学や宗教と同類だ」と言っているように読めてしまう。
 ……まぁこの人の言う『量子物理学』が、俺の住むこの世界の同名の学問とは別物だというのは判っていたけれど、信仰の対象としていたとは……!

 さて。
 ここまでの記事の引用分だけでも、『Qビットテクノロジー』が似非科学……と言うには稚拙すぎる気がするが……なのは火を見るよりも明らかなのだが、この技術を利用した冷蔵庫がある。
     http://www.q-bit.jp/eco.html

 説明は似非科学だけれど、実際は別の方法で説明できる技術で、実際に省エネルギーな商品なら良い。
 だけど現物も余計な玩具を付けただけの、文言通りの節約ができない代物という可能性の方が高そうだ……と、効果のない節電器や燃費向上グッズを見てきた俺の経験則から話。
 ……科学的な説明が出鱈目だから、その技術を使用した商品も出鱈目だ、と言っているのではないので、誤解しないように。

posted by にわか旅人 at 20:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 似非科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月29日

バイオシーパルスに提訴と一部業務停止命令

 これまで何度かオカルトの『波動』を取り上げてきたが、『波動』を売り物にしている企業が業務停止命令を受けた話をした事はなかった。
 今回はめでたく(?)、一部業務停止命令を受けた『波動』を商売にしている企業の話だ。

   朝日新聞『「波動の水で治療」根拠なし バイオシーパルス取引停止』2008年5月27日
     http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB200805270014.html
===全文掲載===
 根拠のない効果をうたって家庭用電気機器を販売したとして、経済産業省は販売会社のバイオシーパルス(福岡市、阪本正寿社長)に28日から6カ月の取引停止命令を出した。同社に登録した会員が科学的根拠がないのに「機器の波動が伝わった水を飲むと病気が改善する」などと宣伝しており、特定商取引法違反(不実の告知など)にあたるという。

 同省によると、同社は「波動エネルギーを水に伝える」などとして会員に約15万〜約30万円の機器を販売。購入者を販売店として登録、ほかの人に売れば報酬が得られるとして販売網を広げていった。

 会員は全国約1万3千人で、05〜07年度に各地の消費生活センターに計約170件の相談が寄せられた。同省は販売の勧誘や契約締結の停止を同社に命令、効果に科学的根拠がないことを販売店や消費者に速やかに知らせるよう指示した。
===ここまで===

 バイオシーパルスでは経産省の指導に従い、波動水に関するお詫びらしきものを掲載している。
     http://www.b-c-p.co.jp/
 ……が、「科学的根拠がないこと」を説明している文面とは、俺には読めないのだよな。
===引用開始(2008年5月28日時)===
〜〜弊社波動商品に関する注意事項〜〜

「パワーウェーブ(波動情報発生器)」、「ウェーブクリーター(波動情報入力器)」は、家庭用電気機械器具であり、医療器・治療器ではありません。また波動情報水は、波動磁場が水に印加されているということは科学的に証明されているものの、個別の波動情報がどのように水に伝達されているのかということは、科学的に明確に証明されていません。その点につきましては、現在、製造会社により、科学者および有識者と共に研究が進められております。

バイオシーパルスの波動情報水に対する考え方
【 定義 】
弊社は、人々の健康維持・促進の為、それぞれが持つ固有の波動(波動エネルギー)を高めることを波動健康学と称し、健康を害する生活習慣を改善させることを目的としている。

【 波動(波動エネルギー)とは 】
ハロルド・サクストン・バー博士が、あらゆる形あるものは全てライフフィールド(生命場)によって律せられていることを発見し、ウェインストック博士は、そのライフフィールドが発している固有の超微弱なエネルギーを発見した。私たちは、その超微弱なエネルギーを波動(波動エネルギー)と呼んでいる。

【 方法 】
健康に必要な磁場による波動(波動エネルギー)を、水に印加し「磁場情報水」に変えて、一日2リットルから3リットルを毎日飲用する。

【 解説 】
人は、毎日の生活習慣の中で健康を害する、
ひずみ
ゆがみ
みだれ
を生み出している。日々の健康のため、波動健康学という見地から、波動(波動エネルギー)を高めることで、よりよい生活習慣をつけることを提唱している。

【 まとめ 】
波動(波動エネルギー)というものは、これまで解明の対象にならなかったことや、今の解明レベルでは、科学的にも医学的にも解明することが難解ということから、波動の存在を認める科学者の見解は存在するものの、具体的な科学的根拠あるいは医学的根拠を証明することが困難である。しかし、今、製造会社により、理解と関心を持った科学者と共に研究が進められ、解明されつつあり、いずれこの事実が証明されるに至ると弊社は確信している。またこのように、波動が科学的に否定されるものではないと弊社は考えている。
===ここまで===

 つまりこういう事だな。
 波動が水に印加されるのは、科学的に証明されている。
 波動を印加された水が、人体に影響を与えるかどうかは、科学的にはまだ証明されていない。
 と。
 ……まぁ確かに「効果に科学的根拠がないこと」は説明しているわな。『波動』そのものが、物理の波動とは別物のオカルトとは認めていないが。

 言い換えてみる。
 波動が存在することは、ハロルド・サクソン・バー(Harold Saxon Burr)博士によって発見されている……博士なのだから間違ってなどいない。
 それが人体に及ぼす影響については不明ではあるが、正しい波動を体内に取り込めば健康になれる……かもしれない。
 波動の健康効果の研究は、専門家らによって現在行われている最中であり、いつの日か波動の効果は証明される……だろう。
 波動を証明する科学的な根拠は今のところないけれど、科学的に否定されている訳ではない……だから波動を否定する理由にはならない。
 だから今は、効果があるのかどうかわからないし……ひょっとしたら害があるかもしれないけれど……とりあえず健康に良いのだと信じ、波動を広める活動を今後も広めていこう。

 まるで反省していないな。
 信仰は自由だし、思想ならばとやかく言うつもりはない。
 ……だけど、科学的に効果のない代物を、あたかも効果のあるように見せかけている会員がいる事を知っていて、それを放置していたのは信仰や思想の自由ではなくて、反則行為だな。

 とは言え、バイオシーパルスの阪本社長は、『円天』のL&Gの幹部も勤めていた人物だ。

  時事通信『健康機器会社を提訴=L&G元幹部が経営−東京地裁』2008年5月21日
     http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080521-00000116-jij-soci
===全文掲載(赤色は当方にて着色した)===
 健康機器販売会社「バイオシーパルス」(福岡市博多区)が病気に効用があると虚偽説明して機器を販売したとして、購入した主婦ら6人が21日、同社と社長らを相手に、総額約1億円の代金返還を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 社長は、出資法違反容疑で警視庁などの家宅捜索を受けた「エル・アンド・ジー」の元幹部。提訴したのは、北海道、宮城、愛知、岡山、徳島、高知各県に住む40〜70代の6人。

 訴状によると、バイオ社はさまざまな病気に効用がある水を作り出すとして、高額で電気機器を販売。演歌歌手ら芸能人をセミナーに招いて信用させていた。
===ここまで===

 ……俺個人としては、阪本社長は波動など鼻から信じてなどいなくて、詐欺同然と知っての確信犯で商売していた、と考えている。

  読売新聞(九州版)『「波動水」の福岡の業者「小売りも休止」』2008年5月28日
     http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080528-OYS1T00192.htm
===全文掲載(赤色は当方にて着色した)===
 根拠のない治療効果をうたって2種類の電子機器を販売したとして、九州経済産業局から特定商取引法(不実の告知の禁止)に基づき、連鎖販売取引について6か月の業務停止命令を受けた「バイオシーパルス」(福岡市博多区)の阪本正寿社長が27日、読売新聞の取材に「商品の科学的根拠が証明されるまでは商品の小売りも休止する」と話した。

 経産局によると、同社は「波動エネルギーを水に伝達する」とうたった商品「パワーウェーブ」「ウェーブクリエーター」を販売する際、「アトピーや糖尿病が改善する」と一般の顧客や代理店契約を結ぶ会員に対して科学的根拠のない説明をするなどした。

 阪本社長は「今回の処分を真剣に受け止めている。会員の販売手法について十分に管理していなかった。今後は違法な販売行為をした会員の除名も考えたい」と話した。
===ここまで===

 俺の知る範囲では、「違法な販売行為」を理由に、会員を除名したマルチ商法の主催企業というものを知らない。
 ……「科学的根拠が証明されるまでは商品の小売を休止する」の説明同様、外部に向けてのポーズだろうなぁ。

 何と言うか……徹底的に疑ってしまっている。
 ……総額1億円近い代金返還の訴訟に、半年間の一部業務停止命令。しかも一部業務停止命令の理由の一部が、波動には科学的な根拠がないからとされては、裁判でも不利になるだろうし……
 とにかくバイオシーパルスの置かれているのは、素人なりに見ると、存続させても資金を失っていくだけの危機的状況だ。
 おまけに、バイオシーパルスのHPは、上で紹介しているお詫び文以外、全て消している状態だ。
 ……2008年5月28日の午前中までは、会社概要、商品説明その他全て見る事ができたのだけど。

 これらの状況から、なぜか近未来通信社を連想してしまうのだよな。
 一晩明けたら事務所はもぬけのから、資金の大部分は海外口座へ逃がされて、国内の銀行口座に現金はほとんど残っていない。社長はそのまま海外へ逃亡。
 ……阪本社長の自宅に張り付いて、逃亡しないよう見張るぐらいの事はした方が良くないか?

 考え過ぎなら良いのだけどね。
posted by にわか旅人 at 03:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 悪徳商法追放 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月17日

重力子(グラビトン)

重力子(じゅうりょくし、Graviton)は、素粒子物理学における4つの力のうちの重力相互作用を伝達する役目を担わせるために導入される仮想的な素粒子。2007年までのところ未発見である。
アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論より導かれる重力波を媒介する粒子として提唱されたものである。スピン2、質量0、電荷0、寿命無限大のボーズ粒子であると予想され、力を媒介するゲージ粒子である。

(Wikipedia 『重力子』[1]より 2008年5月15日)


 素粒子物理学は守備範囲外なので、「ボーズ粒子」とか「ゲージ粒子」とか言われても良く判らないのだが、現在のところ『重力子』はあくまで理論であって、存在は確認されていないというのは判った。
 ……何となく面白そうなので、余裕があったら少し勉強しみたいところだ。

 さて。
 重力子の英語名Graviton(グラビトン)は、似非科学の世界でも使われている。
 が、この宇宙の素粒子物理学とは別の宇宙の話であるのは、これはもうお約束だろう。
 ……ここからのパクリだと言えば、まだ笑って済ませたかもしれない。

●似非科学のグラビトンとは
 国際グラビトニクス協会の説明によると、「重力子(グラビトン)とは、重力波の量子化した状態」[2]だそうだ。

 Wikipediaの説明を理解しているとは言わない。だけどこっちはもっと意味不明だ。
 ……似非科学の世界では、グラビトンを計測ないし確認する方法が確立されているらしい。しかしどこを検索しても、計測機器や方法が見つからないのだよな。

 しかも似非科学の世界では、グラビトンとはたかだか30文字にすら満たない説明で十分な代物、というのが笑える。重力波や量子化の意味の説明もなく、いきなりグラビトンを実用化した商品の話になる。
 ……『グラビトンセラミック』や『結界』の事な。これらは後述する。

 グラビトンの説明がこれだけでは話にならないので、もう少し検索してみた。
 そして見つけたのが、『ニューサイエンス』[3]というサイト。
 ……タイトルからして「いかがわしさ」臭が漂うサイトだし、中味は期待(?)を裏切らない香ばしさだ。

===引用開始===
極端に高い周波数の重力波(グラビトン)は、光速より30ケタ以上も速く、宇宙の中心まで一瞬で届き、結界をつくれば、海の中に赤潮ができず、魚類は活き活きし、陸上は森林、野菜が成長し、ダイオキシンを減少させることができます。
===ここまで===

 この時点でオカルトか三流SFだと判りそうなものだけど……これって洒落か釣りだろ? 光速を超える速度と赤潮は、どう見てもつながらないし。
 ……え? 本気で信じているって!?

 この時点で頭がクラクラするのだが、頑張って調べてみる。

●グラビトンセラミック
 これも国際グラビトニクス協会の説明から。
===引用開始===
グラビトンセラミックとは、ファインセラミックに、重力子(グラビトン)を封入した後、特別な方法で波動(周波数)放射を一定に安定させたものであります。
   (中略)
このセラミックを使ったGTW(重力波=Gravitational Waves)によるグラビトンシステムは、従来のマイナスイオン電子で還元する方法とは大きく異なります。このシステムではマイナス電子のように、大きく重い粒子で還元するのではなく、GTP〔グラビトン化した粒子=Gravitonized Particle(10-8 cm以下)〕から放射されるGTWが、原子核内部にある中性子、陽子、そして、クォークにエネルギーを与え、触媒効果により、マイナス電子が逃げられない状態にいたします。これがいわゆるGTPを用いた「還元」方法です。

この方式により、その場、その環境を瞬時に良い状態に変化させ、長期間、長時間に亘り物質の分子・原子構造を、正常かつ最高の状態に保つことができるのです。
===ここまで===

 『波動』が出てきたか。
 この波動は物理の『波動』ではなくて、オカルトの『波動』なのは言わずもがな。

 マイナスイオン電子? ……はあ? 何ですか、それは?

 化学反応の「還元」って、マイナスイオン電子で還元するのだっけ? 「マイナスイオン」の付かない電子を受け止る事を「還元」だと思ったけどな。
 ……そして電子を与えた側は「酸化」される、と。

 対するGTPの還元は、何か謎な『エネルギー』を原子核に与え、マイナスイオン電子が外に出ないようにするとか。
 ……なんだ。つまり反応は起きていないじゃないか。どこが「還元」だよ。そもそも重力波が与えるエネルギーって何よ?

 それにしても、グラビトンの世界では、10-8cmが電子よりも小さい粒子というのが笑える。いや、この文章の流れだと、「大きく重い粒子」は「原子核内部にある中性子〜」かもしれない。
 いずれにせよ、ここで言うグラビトンが、俺の世界の陽子や中性子の軽く1万倍を越えるサイズで、それでもって電子の大きさの計測ができないのにも関わらず「電子よりも小さい」のであれば、俺の住む世界の話ではない。

 そもそも難解な文章……というか理解できないのはなぜだ?
 ……日本語……だよな? 全く理解できないのだが……暗号ですか?

 ここからは『ニューサイエンス』を引用する。
===引用開始===
今まで科学と呼ばれている学問は物質だけの科学と精神だけの科学であって、この二つを合わせた科学はありませんでした。この度私はグラビトンを世界最初に発見して、この二つの科学を統合したのです。私はこの発見によって、アインシュタインの仮説が間違っていることを証明しました。
===ここまで===

 物質だけの科学って何だ? 精神だけの科学って何だ?
 意味不明すぎる。
 まぁ、脳内世界なら哲学的な「宇宙の真理」とやらを見つけるのは自分が最初だし、この宇宙の物理法則も関係ないわな。

===引用開始===
光速は一定ではなく、人間の想念によって変わります。今度地球が昇格(注:船井幸男氏も提唱する優良星人への昇格)すると、光速は現在の3倍になります。
===ここまで===

 ……どうツッコミを入れればいいのやら……これが工学博士だった人のスピーチと言うのが……そりゃ信仰は自由だけどさ。

 『優良星人』……。
 ……こののギャグSFの読みすぎか?

 ……というか、こんなものを『科学』と誤解できる人がいるのは驚き。

===引用開始===
グラビトンを封入した小さなセラミックを四方に置くとその中に結界ができます。私はこれを「グラビトナイズドフィールド」と名づけています。実例としてこれを海の中の四隅に置くと赤潮がなくなります。また陸上ではダイオキシンの量が10分の1に減少します。
===ここまで===

 ……見事に電波です。まずはデータを出せ。話はそれからだ。

 本当にダイオキシン量が1/10に減少するなら、そのデータを持って市役所区役所に持っていけば、焼却場で引っ張りだこになると思うのだけどね。
 ……あ、「実例」と言っているのだから、データはきちんと取っているのか。
 それにしては、どこの焼却場で採用されたとか、どこかの焼却場が採用しているとかの掲載が一つも見つからないのはなぜかな?

●結界
 これまでのところを読めば、『結界』をどのように作るかのイメージは湧くかもしれない。
 グラビトンセラミックを適当な場所に置いても良いし、地面に埋めても良い。肌身に付けていれば、電磁波から身体を守れる。
 ……発がん性がコーヒーと同じ程度の電磁波を怖れる理由が俺には理解できないし、仮にグラビトンセラミックで遮断できるとしても、四方八方から来る電磁波を、身体の一部にしか触れていない物がどう全身を守るというのやら……あぁ、だから『結界』か。

 使い方は簡単。
 3枚以上を任意の場所に置き、それらを直線で結んだ内側が結界になる。建物内なら2階に置けば、地下から屋上までが結界の有効範囲だ 。しかも平地であれば、一辺2kmの範囲まで結界が及ぶのが確認されているとか。
 ……笑わせてくれる。

 だからまずは、結界の効果をどうやって計測したのか、そして計測したデータを出せ。

●カルト? グラビトン教? 宝地院 [5]
 始めから宗教がかった似非科学のグラビトンだが、『グラビトン教』と言っても良さそうな宗教団体……宗教法人ではない[6, 7]……いや、カルトがある。
 福岡県豊前市にある『宝地院』という組織だ。

 見かけは仏教のどこかの系列のような体裁を取っているが、少なくともHPを見る限りでは、開祖や発祥の年代、現教祖、経典、崇拝対象といった宗教団体なら前面に出すべきものが何一つ記載されていない。
 かろうじて『宝地院』のある「求菩提山」が、6世紀に「猛覚魔卜仙」という呪術者によって開山したという下りがあるだけだ。
 ……この呪術者が開祖だとの記載はない。

 それもそのはず。
 宝地院は、『株式会社ミドルウェイ・ジーエスエイチ』[8]と同じ組織だ。
===引用開始===
研究開発については株式会社ミドルウェイ・ジーエスエイチの研究者が主に担当しておりますが、宝地院では宇宙学、地球学などの「ご法話」で真理を説きながら、「高次元医学」「高次元能力」「過去世回帰トレーニング」「検索セミナー」などの勉強会を行いつつ、寺院の伝統を継承し、厳かにその歴史を伝えています。
===ここまで===

 宗教や信仰は当人の自由だし、とやかく言うつもりはない。

 だけどな。
 科学を装っていながら科学でない代物、要するに似非科学な商品を宗教の場で販売するのは、御利益があるとうそぶき高額な壷を売りつけるのより性質が悪いだろ。
 御守りや御札を「売るな」と言うのではない。この手の商品は科学の名前は出していないし、買う方も迷信と納得して買っているはず……だしな。
 似非科学な代物をさも効果があるように謳い、宗教の場で売るのは詐欺目的以外に何があるのかな。
 ……宗教の場に限らず、似非科学な代物を販売するのは詐欺行為と思う。

 しかもこういう苦情[9]まで掲示板で公開されているようでは、詐欺組織という印象しか抱けないのが、俺の正直な感想。
===引用開始===
本人によれば宗教ではなく科学であり、波動・念波・グラビトン・結界の世界のようです。
   (中略)
セラミックにエネルギーを入れてもらったり、結界を張ったり、他の家族に対しても同様の供養等が必要とされました。
医師からは見放されている中で、「必ず治る」と励ましてくれた唯一の存在であったため、理解はできないものの、ありがたい気持ちで信じる努力をつづけました。
しかし、一ヶ月で治るという最初の言葉とは裏腹に回復の兆候はあまり見られないまま、多額のお金が次々に請求されました。多額とはいえ一市民がなんとか出せる10万単位の金額でした。
   (中略)
先日主人に破滅を意味するマイナスのエネルギーが入り、家族全員死ぬという検索結果をその宗教からもらいました。
===ここまで===

 具体的な団体名は上げられていないが、出てくる単語からその宗教の予想はつく。
 ……要するに、こういう事を生業としている組織だ。

●話が逸れた
 グラビトンの説明そのものは、似非科学と言うよりオカルトや宗教の方が近いという感じはする。
 ……しかも中味はおそらくカルトだ。

 科学的な単語をそこかしこに無理矢理に散りばめ、故人とは言え工学博士の言説や活動と関係付けるものだから、騙される人が出るのかもしれない。マルチ商法や投資詐欺が広告塔に著名人を使い、信用を集めるのと一緒だ。
 ……著名人や○○博士推奨という文言が出てきたら、まず問答無用で疑いを持つ事。鉄則。

 ここでは話題にしなかったけれど、グラビトンを謳った商品には、セラミックだけではなく『竹炭』や『活水器』などもある。調べていくと、謎の古代文明『カタカムナ文明』[10]まで芋づる式に出てくる。
 怪しさ・いかがわしさならかなりのものだ。

 ……何と言うか……オカルトを相手に似非科学だと言っている気分になってきたので、今回はこの辺で。


[2008年5月18日追記]
 『宝地院』について継続して調べていたら、天台宗に同名の寺院のある事が判明。
     http://bit.ly/1jEHqDF
 こちらは佐賀県小城市小城町松尾清水にある。

 崇拝対象は清水観音。九州西国33観音霊場の1つにも挙げられている。
     http://www.kokoronotabibito.com/list/reijo.php?no=B-90

 当エントリで取り上げている『宝地院』は、東京・大阪・名古屋・九州(福岡県行橋市)に「本院」があるので、天台宗宝地院とは無関係だ。


◎参考インターネット◎
[1] Wikipedia 『重力子』2008年4月19日の版
   http://bit.ly/1jEHxzd
[2] 国際グラビトニクス協会『グラビトンについて』
   http://www.gravitonics.jp/about/
[3] ニューサイエンス『グラビトン(重力波)結界について』2000年7月20日
   http://www02.so-net.ne.jp/~hal
[4] 株式会社ミドルウェイ・ジーエスエイチ』HPのFAQ
   http://www.gravitonics.com/topics/faq/faq.html#Q.01
[5] 宝地院HP
   http://www.houchiin.com/index.html
[6] 文部科学省文化部総務課『文部科学省所轄公益法人一覧』
   http://211.120.54.153/b_menu/koueki/bunka/04/001.htm
[7] いちらん屋『宗教団体一覧』
   http://ichiranya.com/society_culture/001-religion.html
[8] 株式会社ミドルウェイ・ジーエスエイチ』HP
   http://www.gravitonics.com/index.html
[9] 迷える母『狂信的な息子』お寺ネット 人生相談や先祖・水子供養など相談例 「宗教」についてのご相談です、2005年9月7日
   http://www.otera.net/soudanrei/syuukyou.html
[10] Wikipedia『カタカムナ文明』
   http://goo.gl/9cMtw

◎その他の参考インターネット◎
幸up研究所HP
   http://www.ne.jp/asahi/sachiup/sugimoto/index.html
グラヴィトニクス研究所
   http://thehado.net/0.html
『船井幸雄のいま知らせたいこと 「いま一番知らせたいこと、言いたいこと」 「結界」の技術を知ろう』船井幸雄.com、2005年6月8日
   http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=200506004
『船井幸雄の「この人いいよ!」 (株)コンプラウトの佐藤じゅん子社長を紹介』船井幸雄.com、2007年7月7日
   http://www.funaiyukio.com/konohito/index_0707.asp
『イヤシロチと楢崎皐月』
   http://www.igakutogo.com/narasaki.html
日本脱カルト協会HP
   http://www.jscpr.org/index.htm
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2008年04月26日

投資詐欺オールインとスターライン

 2007年9月に計画倒産した株式会社ウインズインターナショナルの幹部が立ち上げた企業、株式会社オール・インとスターライン株式会社の2社を、ネット限定ながら立ち上げ頃から観察を続けている。
 どちらも体裁はマルチ商法(連鎖販売)を取り繕ってはいるが、実質は投資詐欺というのが俺なりの見立てだ。

●株式会社オール・イン
     http://www.allin.jp/index.html
所在地:札幌市北区北10条西1丁目10-1 浦野ビル6F
代表取締役:森克彦
代表取締役専務:小原寛也
資本金:1000万 (……単位は円か?)

 オールイン社は『Victoryrun FX』という投資ソフト(2007年9月までは競馬の予想ソフトだったもの)をマルチ商法で販売している。
 ただし投資自体は会員が銀行口座を開設して行う……ようだ(2008年4月現在)。
     http://www.allin.jp/account.html

 現在は『Aプラン』と称したものしかHPでは掲載していないが、以前紹介されていた『Bプラン』では、海外にある『G.T. IPoint Ltd』という電子マネー企業に口座を開設し、そこを通じてモルガン社が資産運用を行うと説明していた。

 もっとも、過去ログでも軽く触れているように、JPモルガンはG.T. Ipoint社並びにオールイン社との間に取引は存在しないと公表し、オールイン社の説明は虚偽であったことが暴露されている。
     http://www.jpmorgan.co.jp/important.html

 ……オールイン社のHPで、以下の文が掲載されるようになったのは、この頃からだ。
===全文掲載===
JPモルガン社に関する問題について
株式会社オール・イン(以下弊社)とJPモルガン社が取引関係にある、という誤報が流れておりますが、弊社とJPモルガン社は一切関係がありません。このような、根拠のない誤報はJPモルガン社に多大な迷惑をかけることとなるうえ、弊社の社会的信用を著しく損ねる行為となります。

会員様の近辺でこのような誤報や噂、非公式の書面等を流している方を発見した際は、弊社までお知らせください。事実関係を調査後、概要書面に則り処分いたします。
以上
2008/01/24  株式会社 オール・イン 代表取締役CEO 森 克彦
===ここまで===

 ただしこの文言は、2008年4月26日現在、オールイン社のHPからは削除されている。
 ……自分のところのHPで、モルガン社で運用していると書いていたくせに。
 下のリンク先は、その当時の資料を誰かが公開したのかな?
     http://victoryrun-fx.up.seesaa.net/image/allinpppdf.pdf(リンク切れ)

Allin_Gain_1.jpg

Allin_Gain_2.jpg

 そして現在は、中国民生銀行に銀行口座を開設するよう話を持ちかけている。
     http://www.allin.jp/news.html
===引用開始===
2008/04/22
オール・インは中国民生銀行の口座を開設することが、皆様方にとって有益であると
考えております。

そして今後、様々なところから、他の海外口座開設のお話が来ると思われますが、
オール・インに歩調を合わせていただくことにより、皆様方にとって一番有利な方向に
進んで行くと確信しております。

ぜひこの機会に中国民生銀行の口座開設をご検討いただければ幸いです。
===ここまで===

 「有益である」と考える根拠は?
 人に投資を勧めるのであれば、その根拠の一つも提示するべきだろ?

 「なぜ」オールイン社と歩調を合わせて、銀行口座を開設しなくてはならんのだ?
 オールイン社は表向き、投資ソフトと自称する代物をマルチ商法で販売(レンタル?)する企業なので、会員から投資目的の出資金を集めることは違法行為だ。
 ……「銀行を紹介しているだけ」で、「資金を集めてはいない」と逃げることはできるだろうけど、そうすると特定の海外銀行に口座を開設するよう奨励する行為と矛盾する。

 投資を詐称する企業だから、計画倒産時の資金を中国に集めておこうという腹積もりなのかもしれない。アメリカだと資金を流しても、金額が大きいとFBIに口座を差し押さえられてしまう可能性もあるからな。

 ちなみに、ここでは『株式会社オール・イン』としているが、HPの会社概要ページでは『株式会社オールイン』となっている。
 ……どっちが正式名称なのか書けないのか。

 さて。
 電子マネーのG.T.IPoint社についてだが、この組織自体海外の企業と称するには、余りにも胡散臭すぎる。
 ……と言うか、完全に投資詐欺用の架空口座だろ、これ。

●G.T. IPoint Ltd.
     http://www.gt-ipoint.com/index.html
企業名:G.T. IPOINT LTD
所在地:Stasinou,36 LAZAROS HOUSE, 1st floor,Flat/Office 104 Strovolos, P.C.2003, Nicosia, Cyprus
 ……代表者と規模については、掲載がないので不明。

 オールインとG.T. IPointのいかがわしさは、既にこちらの掲示板でも暴露されている。
     http://bit.ly/1qK2P8k

 一部重複するところもあるが、存在すら怪しい企業だとする根拠は1つや2つではきかない。

 Whoisで『gt-ipoint.com』を検索したら、サーバーは日本にあると判明。
     http://whois.domaintools.com/gt-ipoint.com

 ……振込銀行が三菱東京UFJ銀行渋谷支店という1点だけで、この企業が海外にあると考えるのは噴飯物。
     http://allin.jp/Bplan_mousikomi.pdf
 取り引きは通常、自社のメインバンクを指定するものだ。海外の企業なら海外の銀行になる。
 ……指定銀行が国内の都市銀、しかも1行だけなんて、始めからG.T. IPointに実体はないと明かしているようなものだ。

 この企業の電子マネーが使えるのは、2008年4月16日現在、たったの1箇所だけ。
     http://www.sazabi-msn04.com/
 屋号名は『サザビ』。受付けはメールだけ、購入に使えるのはi-pointのみ。住所と連絡先は不明。

 で、俺が一番怪しく感じたのが、ポイントを現金に換金できるという説明。
     http://www.gt-ipoint.com/h_expipoint_j.html
 円だろうがドルだろうがユーロだろうが取り扱えるという話だが、換金の際のTTSはどうするのさ?
 ……それと、このような両替を行うには銀行業の許可が必要だと思うのだけど、違ったかな? 取り引きを国内の三菱東京UFJで行っているのだから、「海外の銀行だから日本の法律には縛られない」という言い訳は通じない。

 英文の説明内容も稚拙すぎる。中学生並だ。少なくともビジネスレベルで書く文章ではない。
     http://www.gt-ipoint.com/h_useipoint_e.html
===引用開始===
To buy I-Point, you have to let us know the contents to our company by E-mail or exclusive FAX paper after you deposit the money to our designated bank account.
If there is no mistake on the confirmation of the deposited amount and notified amount after our company receive and confirm it, the points will be added up to the customer's account within 3 business days.
You can charge up the point up to 3 days from the payment day.
Please contact us immediately if the points didn't add up after 3 business days from the payment.
===ここまで===

 説明の文章は企業企業によって違うから深くは追求しないけど……普通はもっと簡潔な文章にするものだろ? If構文は避けるとか、人称名詞で始まる文章は使わないのが原則でないかい?
 ……”don’t”のような短縮形も使わない事も含めて、どこかで教わった記憶がある。

 文法や単語の使い方にもツッコめる箇所があるのだけれど、それには触れずにおく。

 で、こちらが同じ文章の日本語。
     http://www.gt-ipoint.com/h_useipoint_j.html
===引用開始===
i-pointの購入は、弊社指定口座へ入金後、その旨を弊社までメールしていただくか、専用FAX用紙にて通知をしていただきます。
弊社受信確認後、入金されている額と、通知された額を確認し、間違いがなければ、お客様のポイント口座へ3営業日以内に追加します。
※ご入金日から最長3日間でポイントがチャージアップできます。
※入金をして3営業日を過ぎてもポイントが追加されていない場合、早急に弊社までご連絡下さい。
===ここまで===
 ……日本語を無理矢理英文化したのが丸判り。

 G.T.Ipointの胡散臭さを指摘するのは、この程度で良いか。

●スターライン株式会社
     http://www.stline.jp/index/
本社所在地:大阪府大阪市中央区島之内1丁目17-12-3F
代表取締役社長:政井 禎久
資本金:2,000万円

 こちらも『資産運用』の名目で、FXソフトを紹介していた。販売するのか無償提供なのかは不明。
 ……マルチ商法だから、買わせるのだろうなぁ。

 と思いきや。
 いつの間にか『資産運用』のページが更新され、FXソフトの案内がなくなっていた。
 存在すら不確かなソフトの名前など判るはずもないが、会員から投資金を集め、スターライン社で運用するという、それこそオールイン社と同じ説明をしていたのだが……勿論、金融商品取引法あたりに抵触する違法行為。

 資産運用の詳細は、『ひまわりGP』が説明してくれていた。
     http://pr-hokkaido.com/index4f.html

 ここで紹介している資産運用は3種類。
1. 不動産ファンド:
 海外の土地に投資する事業……で良いのかな? 海外で銀行口座を設立し、そこに投資資金を投入・後はスターライン社が自動的に運用してくれる、という意味なのかどうかは不明。
 ともかく、実際に運用されるのかどうか、そこに本当に土地があるのか、運用先の企業(ないしスターラインの海外法人)が存在するのか、確認のしようがない。
 ……この間、エビの養殖をすると言っていながら、現地にはまともな事業所すら存在していなかったという、見せ掛けはマルチ商法・実質は投資詐欺のグループがあったな。

2. クラスターファンド:
 天然水晶石の置物のレンタル事業だそうな。1口3万円から。
 この置物を関西地域の店舗に置き、そのレンタル料金をリターンに回すという話だ。こんな物を置くのは、一体何という企業の店舗?
 ……ファンドではなくて、石を購入させるのがメインの事業だろ、これ。しかも「現物は(名目上は)貸し出ししているので手元になく、あるのは証書だけ」というネズミ講と見た。
 「ロケーションビジネス」の次の呼び名か。
 ……ところで、携帯充電器を設置できた会員がいるとして、現在も配当しているのかな?

3. FX資産運用:
 本来の資産運用という名目で、設立当初から謳っていた投資詐欺。
===引用開始===
第1ステップではFX取扱会社の会社説明、口座開設のご案内、リスク等の説明、初心者向けFXセミナーとなっております。
その後口座開設をされた方へは直接担当企業様よりご連絡が入ります。
===ここまで===

 取扱い企業の名称を上げることすらできないとはね。
 ……中国民生銀行か?

===引用開始===
【投資ビジネスに関する注意】
 ※1. 今回の投資ビジネスは弊社の企業ジョイントによるビジネス提案となっており、
   スターライン社が運営するものではございません。
 ※2. 投資に関する様々な金融商品は皆様の元本を保障するものでもございません。
   必ず自己責任・自己判断でご検討下さい。
 ※3. 本投資は積極的に高収益の追求を目指しますが、政治・経済・社会情勢等の事情により、投資元本が全く解除されない可能性もある事を十分ご理解下さい
===ここまで===

 はて。
 確かこの前までは、「高配当間違いなしの『完全お任せFXファンド』です!」と声高らかに謳っていたのに……いつの間にか「スターライン社は運営しない」「ジョイント企業のビジネス提案です」に変わっているぞ。
 ……この文言に釣られて購入した会員が、万が一にもいたら、どう責任を取るつもりなのかね? お得意の「自己責任」?

 FXが自己責任なのは合意。
 でも「高配当間違いなし」と言ったのだから、損失を出したら責任を取れよな。

 ところで。
 資産運用ではないけれど、商品数3万点のネットモールはいつ開始するのだ? 予定では4月だろ?

●要するに
 オールイン社とスターライン社の代表の前歴が、(計画)倒産した同じ企業の幹部だったからという理由で、一緒くたにするつもりはないし、したくもないのだが……。

・性能すら不明瞭なFX運用ソフトを販売し、
・運用先が不明な銀行に口座を作らせ、
・一時期は「運用する」と謳っていながら、「ソフトを販売するだけ」と前言を撤回、
・「運用する」には、法律で求められる金融商品取引業の登録すらしていなかった。

 と、FX関係だけでこれだけ似たような真似をされると、「所詮は同じ穴のムジナ、詐欺師はどこへ行っても詐欺師」という経験値を積むしかなくなるではないか。
 ……マルチ商法ではなくて、無限連鎖講でもなくて、投資詐欺、な。
posted by にわか旅人 at 19:12| Comment(11) | TrackBack(0) | 悪徳商法追放 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月18日

雑菌浴『マコモ風呂』

 黒影氏のブログ『幻影随想』の2008年4月12日のエントリが、ちょっとしたホラーだったので紹介。

 『恐怖のマコモ風呂』2008年4月12日
     http://blackshadow.seesaa.net/article/93103924.html
===引用開始===
#(注)このエントリには生理的嫌悪を引き起こすような内容が含まれます。
#そういうものに耐性の無い方は、続きはご遠慮ください。
===ここまで===
 ……という事なので、一度考えてから読むように。

 余り文才に長けていない俺がここで二番煎じするもの何だから、興味のある人にはリンク先の本文で楽しんでもらうとして。

 要するに『マコモ風呂』というのは……こういう事だろ?

 煮物やシチューを作った鍋を2、3日放置しておくと、上汁に薄い膜が出来る時がある。大根の煮物でなら、室温で24時間も放置しておけば観察に耐えるものが作れる。
 煮凝りと異なるのは、「吐き気を催す」形容しがたい異臭のある事だ。これを「発酵」とするか「腐敗」とするかは自由だが、この悪臭に鍋ごと捨ててしまおうと考える人もいるかもしれない。
 『マコモ風呂』とは、この時の鍋の中身(食材「 だ っ た 」部分は除く)を浴槽レベルで再現、鍋でも3日放置すれば洗うのに勇気が要るのを何週間何ヶ月も放置……ではなく保全に尽力し、「健康」の名の下に毎日浸かる行為の事である。


 ……書いていて両肩の辺りがムズムズしてきた。
 まるでStephen Kingの『Creepshow』とか、タイトルは忘れてしまったけれど、隕石に汚染された水を飲んで溶けていく住人の話とか、『Nightmare on Elm Street』のゴキブリホイホイならぬ人間ホイホイとか……80年代のチープ・ホラーばりの気色悪さを思い出してしまった。

 しかし……。
 判ってはいたけれど、教祖様のお言葉は絶対なのだねぇ、と感心した。
 ……いつぞやのドロ水を大金払って飲むなんてレベルではなかった。

 この腐臭漂う雑菌浴を、アトピーの治療に採用している病院がある。黒影氏のところでもリンクが貼ってあるが、一応ここでも貼っておく。

  ナチュラルクリニック21
     http://www.nc-21.net/index.html

 そしてこちらが『マコモ風呂』の説明。
     http://www.nc-21.net/hospitalization-atopy.html
===引用開始===
マコモとは池や川などの水辺に群生するイネ科の大型多年草で、
(中略)
そのマコモを母体にして発生させる微小単細胞生物は「マコモ耐熱菌」と名付けられ、それがマコモ風呂の素です。このマコモ耐熱菌は体内から毒素を排泄させます。
===ここまで===

 念のために断っておくが、「マコモを菌で発酵させる」という話ではない。
 マコモから単細胞生物が「発生する」と主張しているのだ。それが「マコモ耐熱菌」。

 何も無いところに生命が自然発生することはないので注意。
 「マコモ耐熱菌」は架空の産物か、ただの汚染だ。ひょっとしたら製造工程で滅菌処理をしておらず土壌菌が付いたままだとか、『黒穂菌』の可能性もあるかもしれない。
 ……それでも土壌菌や黒穂菌が「自然発生する」ことはないが、妄想は湧くかもしれない。

  Wikipedia 『マコモ』
     http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B3%E3%83%A2
  まこもネット『マコモタケってなんですか?』
     http://www.makomo.net/what/index.htm
  JA長野県『マコモタケを知っていますか? 食べたことは?』2006年9月20日
     http://www.iijan.or.jp/oishii/2006/09/post_364.php
 ……JA長野県の方は後半『耐熱菌』が出てくるので、ソースとして信頼できるのは前半までかと思われる。

 指摘するまでもないけれど、皮膚から毒素が排出されるというのは「典型的な」似非科学。
 そんな簡単に毒素(そもそも何を『毒素』と言っているのか不明)が体外に排出できるのなら、肝臓はいらない。
 ……信者は表皮で肝臓の代用ができるようだから、肝臓を必要な人に譲ってくれ。

===引用開始(は当方にて付けた)===
マコモ湯は原則的に換えません。そうすると人の汗や表皮を分解する発酵菌や皮膚の弱毒菌が繁殖するようになります。
(中略)
これらの菌は皮膚表面の老廃物を分解し、皮膚の治癒を促進します。また、皮膚表面の細菌叢を変化させるようです。 そして皮下に集まる免疫細胞を変化させます。つまり、このお風呂に入ることで、体のリンパ球が体を治す方へ働くのです。なぜならマコモ風呂はその中でバランスが取れているからです。
===ここまで===

 ……雑菌風呂だと認めている。

 老廃物が分解されるよりも、雑菌による感染症の方が俺は怖いな。

  Wikipediaで『皮膚感染』を検索した結果
     http://goo.gl/Uzlfnm

 皮膚の老廃物って、要は垢だろ? 普通に風呂に入って洗えば落ちるわな。
 マコモ風呂よりよっぽど健康的じゃないか?

 「皮膚表面の細菌叢を変化させるようです」と仮定しておいて、その後で「免疫細胞を変化させます」と断定。
 意味ないだろが。

 「なぜならマコモ風呂はその中でバランスが取れているからです
 あくまで俺の主観なのだけど、似非科学やらインチキダイエットの推奨者って、「バランス」という単語が好きだねぇ。そんな曖昧な表現ではなくて、リンパ球とマコモ風呂がどうつながるのか、具体的に示して欲しいわ。
 ……あぁ。マコモ風呂で傷口から侵入した雑菌を、リンパ球で攻撃するという事か。確かにそれならある意味「バランスは取れて」いるな。

===引用開始===
バランスの取れた野菜を食べれば、体もバランスが整います。バランスの取れたマコモ風呂に入るとバランスの取れた皮膚になります。バランスとは自然界のバランスのことです。あなたの体の中にも細菌がいて、それらがバランスが取れていれば病気にはなりませんが、バランスが崩れると、便秘になったり、いろいろ弊害が生じます。
マコモ風呂はそうしたあなたの体を自然のバランスに戻させてくれます。
===ここまで===

 「バランス」のオンパレード。だけど意味不明。
 ……意味不明すぎて、ツッコミが入れられない。

 言える事は一つ。
 食べ物を粗末にするな!!

 さてさて。
 黒影氏のエントリによると、『マコモ』をパクった人物がいるそうだ。
 堀洋八郎……Pacific Western Universityで薬学博士の学位を購入し、『光合堀菌』なるもので『マコモ』をパクり、『次世紀ファーム研究所』というカルトを組織し、『真光元(信者にはマコモと読ませていたとか)』という商品名のサプリを開発・販売、万病に効くと謳い当時12歳だった糖尿病I型の少女を死なせたとして、現在も係争中の人物だ。

  真光元被害者の会HP
    http://homepage2.nifty.com/macomo-higai/
  弁護士紀藤正樹のLINC TOPIC NEWS−BLOG版
    『真光元(しんこうげん)と薬事法』2005年7月22日
     http://kito.cocolog-nifty.com/topnews/2005/07/post_df58.html
    『真光元(しんこうげん)の裏側』2005年7月25日
     http://kito.cocolog-nifty.com/topnews/2005/07/post.html
  健康本の世界『堀洋八郎』
    http://khon.at.infoseek.co.jp/chosha/h144.html
  TEAM酷道
    『「次世紀ファーム研究所」現地レポ(前編)』
     http://www.geocities.jp/teamkokudo/farm1.htm
    『「次世紀ファーム研究所」現地レポ(後編)』
     http://www.geocities.jp/teamkokudo/farm2.htm
 過去ログ
  『『FNN 特命取材班』で学位商法報道』2006年12月23日
     http://tsure-zatsu.seesaa.net/article/30147267.html

 そこで改めて『真光元』を調べてみたら、面白い事が判明した。
 過去ログのコメント欄に登場した『株式会社 環境保全研究所』が、『ビーワン』という美容液の販売に『真光元』を利用していたのだ。

 過去ログ
  『ダイレクト・マーケティングフェア 2007』2007年10月30日
     http://tsure-zatsu.seesaa.net/article/63550337.html

     http://www.7272.jp/0928053877/
===引用開始===
アクアバランス憲章
1】ビーワンの優れた蘇生の力を最大限に美として表現する。
2】真光元の光合堀菌の優れた水の浄化の力を最大限に健康に生かす。
3】空気、それは人間に無くてはならない目に 見えない水。
ヘアーリフォーマーから発生する空気の最大限の結合力を生かし美に生かす。
4】自然な働き、素直な力が大いなる力となり人間の知識を超えた表現、
「発毛」その与えられた自然の力を最大限に生かす。

私たち人間が利益と共に発生する
この不思議な媒体を手段として
環境に働く素晴らしい力を、今まで表現し得なかった影に働く力、大いなる徳
それを光に変えて、全ての人が徳を得る行いとして、この憲章が出現したことを理念とし
美・健康・環境の三面美容を提唱するものなり。

平成十三年 五月 一日 吉日
===ここまで===

 ……完全なカルトでしたよ、と。

 環境保全研究所のHPには『マコモ』『真光元』の単語がなかったので、過去のコメントでは気づかずにいた。思っていた以上に胡散臭かったのだな。
 ……こんなものを美容液に使う美容師の気が知れん。

  株式会社環境保全研究所
     http://www.kankyo-hozen.info/
===引用開始===
天然水のエネルギーバランスを整え、水の“記憶”を最大限に利用するというコンセプトから生まれたビーワンシステム。
===ここまで===

 現在は『水伝』的な似非科学な説明に走っている。
 ……いやはや。

 ちなみに。
 『ナチュラルクリニック21』のマコモは、「マコモ(真菰、英:Manchurian Wild Rice、学名Zizania latifolia)は、イネ科マコモ属の多年草。別名ハナガツミ」(Wikipediaより)の事だ。
 『次世紀ファーム研究所』の真光元は、ガマ科植物のヒメガマ(健康本の世界より)の事だ。
 ……だからどうしたというのではなく、『マコモ風呂』の説明でマコモと真光元は別物だと言っているので、違いの説明をしておく。

 しかし何だ。
 俺が『マコモ風呂』で一番恐怖したのは、雑菌の塊が浮いている浴槽とか、嗅ぐと吐き気を催す腐臭とか、雑菌風呂に浸かるイメージではない。
 「 雑 菌 」風呂の「 施 設 」が、「 医 療 現 場 」に、「 医 療 設 備 」として「 用 意 さ れ て 」いる事。
 だったりする。
 ……院内感染が問題になっている昨今、浴槽で雑菌を培養している病院って……正気を疑うわ。
posted by にわか旅人 at 01:41| Comment(6) | TrackBack(0) | 似非科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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