今回はめでたく(?)、一部業務停止命令を受けた『波動』を商売にしている企業の話だ。
朝日新聞『「波動の水で治療」根拠なし バイオシーパルス取引停止』2008年5月27日
http://www.asahi.com/national/update/0527/SEB200805270014.html
===全文掲載===
根拠のない効果をうたって家庭用電気機器を販売したとして、経済産業省は販売会社のバイオシーパルス(福岡市、阪本正寿社長)に28日から6カ月の取引停止命令を出した。同社に登録した会員が科学的根拠がないのに「機器の波動が伝わった水を飲むと病気が改善する」などと宣伝しており、特定商取引法違反(不実の告知など)にあたるという。
同省によると、同社は「波動エネルギーを水に伝える」などとして会員に約15万〜約30万円の機器を販売。購入者を販売店として登録、ほかの人に売れば報酬が得られるとして販売網を広げていった。
会員は全国約1万3千人で、05〜07年度に各地の消費生活センターに計約170件の相談が寄せられた。同省は販売の勧誘や契約締結の停止を同社に命令、効果に科学的根拠がないことを販売店や消費者に速やかに知らせるよう指示した。
===ここまで===
バイオシーパルスでは経産省の指導に従い、波動水に関するお詫びらしきものを掲載している。
http://www.b-c-p.co.jp/
……が、「科学的根拠がないこと」を説明している文面とは、俺には読めないのだよな。
===引用開始(2008年5月28日時)===
〜〜弊社波動商品に関する注意事項〜〜
「パワーウェーブ(波動情報発生器)」、「ウェーブクリーター(波動情報入力器)」は、家庭用電気機械器具であり、医療器・治療器ではありません。また波動情報水は、波動磁場が水に印加されているということは科学的に証明されているものの、個別の波動情報がどのように水に伝達されているのかということは、科学的に明確に証明されていません。その点につきましては、現在、製造会社により、科学者および有識者と共に研究が進められております。バイオシーパルスの波動情報水に対する考え方
【 定義 】弊社は、人々の健康維持・促進の為、それぞれが持つ固有の波動(波動エネルギー)を高めることを波動健康学と称し、健康を害する生活習慣を改善させることを目的としている。
【 波動(波動エネルギー)とは 】
ハロルド・サクストン・バー博士が、あらゆる形あるものは全てライフフィールド(生命場)によって律せられていることを発見し、ウェインストック博士は、そのライフフィールドが発している固有の超微弱なエネルギーを発見した。私たちは、その超微弱なエネルギーを波動(波動エネルギー)と呼んでいる。
【 方法 】
健康に必要な磁場による波動(波動エネルギー)を、水に印加し「磁場情報水」に変えて、一日2リットルから3リットルを毎日飲用する。
【 解説 】
人は、毎日の生活習慣の中で健康を害する、
ひずみ
ゆがみ
みだれ
を生み出している。日々の健康のため、波動健康学という見地から、波動(波動エネルギー)を高めることで、よりよい生活習慣をつけることを提唱している。
【 まとめ 】
波動(波動エネルギー)というものは、これまで解明の対象にならなかったことや、今の解明レベルでは、科学的にも医学的にも解明することが難解ということから、波動の存在を認める科学者の見解は存在するものの、具体的な科学的根拠あるいは医学的根拠を証明することが困難である。しかし、今、製造会社により、理解と関心を持った科学者と共に研究が進められ、解明されつつあり、いずれこの事実が証明されるに至ると弊社は確信している。またこのように、波動が科学的に否定されるものではないと弊社は考えている。
===ここまで===
つまりこういう事だな。
波動が水に印加されるのは、科学的に証明されている。
波動を印加された水が、人体に影響を与えるかどうかは、科学的にはまだ証明されていない。
と。
……まぁ確かに「効果に科学的根拠がないこと」は説明しているわな。『波動』そのものが、物理の波動とは別物のオカルトとは認めていないが。
言い換えてみる。
波動が存在することは、ハロルド・サクソン・バー(Harold Saxon Burr)博士によって発見されている……博士なのだから間違ってなどいない。
それが人体に及ぼす影響については不明ではあるが、正しい波動を体内に取り込めば健康になれる……かもしれない。
波動の健康効果の研究は、専門家らによって現在行われている最中であり、いつの日か波動の効果は証明される……だろう。
波動を証明する科学的な根拠は今のところないけれど、科学的に否定されている訳ではない……だから波動を否定する理由にはならない。
だから今は、効果があるのかどうかわからないし……ひょっとしたら害があるかもしれないけれど……とりあえず健康に良いのだと信じ、波動を広める活動を今後も広めていこう。
まるで反省していないな。
信仰は自由だし、思想ならばとやかく言うつもりはない。
……だけど、科学的に効果のない代物を、あたかも効果のあるように見せかけている会員がいる事を知っていて、それを放置していたのは信仰や思想の自由ではなくて、反則行為だな。
とは言え、バイオシーパルスの阪本社長は、『円天』のL&Gの幹部も勤めていた人物だ。
時事通信『健康機器会社を提訴=L&G元幹部が経営−東京地裁』2008年5月21日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080521-00000116-jij-soci
===全文掲載(赤色は当方にて着色した)===
健康機器販売会社「バイオシーパルス」(福岡市博多区)が病気に効用があると虚偽説明して機器を販売したとして、購入した主婦ら6人が21日、同社と社長らを相手に、総額約1億円の代金返還を求める訴訟を東京地裁に起こした。
社長は、出資法違反容疑で警視庁などの家宅捜索を受けた「エル・アンド・ジー」の元幹部。提訴したのは、北海道、宮城、愛知、岡山、徳島、高知各県に住む40〜70代の6人。
訴状によると、バイオ社はさまざまな病気に効用がある水を作り出すとして、高額で電気機器を販売。演歌歌手ら芸能人をセミナーに招いて信用させていた。
===ここまで===
……俺個人としては、阪本社長は波動など鼻から信じてなどいなくて、詐欺同然と知っての確信犯で商売していた、と考えている。
読売新聞(九州版)『「波動水」の福岡の業者「小売りも休止」』2008年5月28日
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080528-OYS1T00192.htm
===全文掲載(赤色は当方にて着色した)===
根拠のない治療効果をうたって2種類の電子機器を販売したとして、九州経済産業局から特定商取引法(不実の告知の禁止)に基づき、連鎖販売取引について6か月の業務停止命令を受けた「バイオシーパルス」(福岡市博多区)の阪本正寿社長が27日、読売新聞の取材に「商品の科学的根拠が証明されるまでは商品の小売りも休止する」と話した。
経産局によると、同社は「波動エネルギーを水に伝達する」とうたった商品「パワーウェーブ」「ウェーブクリエーター」を販売する際、「アトピーや糖尿病が改善する」と一般の顧客や代理店契約を結ぶ会員に対して科学的根拠のない説明をするなどした。
阪本社長は「今回の処分を真剣に受け止めている。会員の販売手法について十分に管理していなかった。今後は違法な販売行為をした会員の除名も考えたい」と話した。
===ここまで===
俺の知る範囲では、「違法な販売行為」を理由に、会員を除名したマルチ商法の主催企業というものを知らない。
……「科学的根拠が証明されるまでは商品の小売を休止する」の説明同様、外部に向けてのポーズだろうなぁ。
何と言うか……徹底的に疑ってしまっている。
……総額1億円近い代金返還の訴訟に、半年間の一部業務停止命令。しかも一部業務停止命令の理由の一部が、波動には科学的な根拠がないからとされては、裁判でも不利になるだろうし……
とにかくバイオシーパルスの置かれているのは、素人なりに見ると、存続させても資金を失っていくだけの危機的状況だ。
おまけに、バイオシーパルスのHPは、上で紹介しているお詫び文以外、全て消している状態だ。
……2008年5月28日の午前中までは、会社概要、商品説明その他全て見る事ができたのだけど。
これらの状況から、なぜか近未来通信社を連想してしまうのだよな。
一晩明けたら事務所はもぬけのから、資金の大部分は海外口座へ逃がされて、国内の銀行口座に現金はほとんど残っていない。社長はそのまま海外へ逃亡。
……阪本社長の自宅に張り付いて、逃亡しないよう見張るぐらいの事はした方が良くないか?
考え過ぎなら良いのだけどね。

