2007年08月04日

『岩盤浴』は登録商標…らしい

 『岩盤浴』というのがある。
 板状にした自然岩を下から電気で加熱、その上に寝転がって汗を流す……というのが大雑把な表現かな? つまり、お湯や蒸気を使わないサウナか。

 これ自体なら、使う人の好き好きなのでどうこう言うつもりはない。

 しかしどういう訳か、『岩盤浴』は『マイナスイオン』と『遠赤外線』『デトックス』という似非科学キーワードとセットになり『健康』商売のネタにされている傾向がある。

 ちなみに『遠赤外線』そのものを、似非科学と呼んでいるのではない。
 『遠赤外線』に付属してくっ付いてくる『健康』『マイナスイオン』『デトックス』の辺りを似非科学としているので、誤解のないよう。

 さて。
 『岩盤浴の健康効果』なるものをいかがわしいキーワードで装飾して、世間に広めようと画策している中心人物が、俺の調べたところだと『岩盤浴』の『自称・伝道師』五味常明(ごみ つねあき)医学博士だ。
 別の記事で触れたことのある御仁だ。
     http://tsure-zatsu.seesaa.net/article/20115018.html

 こちらが五味氏の『五味クリニック』HP内にある『岩盤浴』に関するQ&A。
     http://www.ganbanyoku.silk.to/

 同HPからの、五味氏のプロフィール。
     http://www.gomiclinic.com/sub/profile.html

 医大を卒業しているし、厚労省の『医師等資格確認検索』にも引っかかるから、医師なのは確かだけど、医学博士はどこで取ったのだ?

 この五味氏が今年になり発足させた組織が、『特定非営利活動法人 日本岩盤浴協会』だ。
   日本岩盤浴協会HP
     http://www.jspso.org/

 2007年2月12日の協会発足会の五味氏の講演内容から。
     http://www.ganbanyoku.silk.to/gb0026.html
     http://www.t-ganbanyoku.com/sub/img/dr_gomi.pdf
===引用開始===
例えば「なぜ岩盤浴ではダイエットになるのか」「なぜ、岩盤浴の汗はサラサラなのか?」「いい汗をかくと、どんなメリットがあるのか」「岩盤浴は本当に自然治癒力が高めるのか」等の素朴な疑問に分かりやすく答える医科学的な説明が必要なのです。

そこに、岩盤浴の伝道師と揶揄された私の出番があったのです。

岩盤浴が汗との関係で若い女性に支持された背景には、私がさまざまなメデアで「岩盤浴でかく汗の効用」を平易な言葉で伝えてきたことも一因です。

しかし、今まで私が説明した効用は、そのほとんどが「仮説」です。その一部は実験的に実証された部分もありますが、岩盤浴の生理学作用や医学的効能についてはほとんど検証されていないというのが現状です。
===ここまで===

 上記引用部分の太字青地は、こちらで着けた。

 「ほとんどが仮説である」と言っておきながら、テレビやHPであれだけ岩盤浴の効果・効能を謳っていた訳か。

 「一部は実験的に証明された」と言っても、どこかの査読のある雑誌などに論文として提出したわけではなさそうだ。PubMedで、それらしい論文は見当たらない。
     http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez

 五味氏の言う「わかりやすい医学的な説明」の例として、上述のQ&Aから少し編集してみた。

・岩盤浴は「遠赤外線」と「マイナスイオン」の両方が放射されているので、その相乗効果によって様々な生理活性が起きている。

・大粒の水は、汗だと「ムダ汗」であり、血液だと「ドロドロ血液」である。

・マイナスイオンは「界面活性作用」があり、水のクラスターを微小にする。
・マイナスイオンは皮脂の酸化を予防し、皮脂腺の詰まりを改善する。

・遠赤外線は「共鳴振動作用」があ。これは水の粒が大きくなるのを防ぐ他、皮脂腺の分泌機能も盛んにする。
・遠赤外線のうち4〜14ミクロン(単位不明)のものは、生体に優しい「育成光線」である。

・有害金属は体脂肪と結合し、「燃えない脂肪」になる。岩盤浴はこの「燃えない脂肪」を「燃える脂肪」に変える。
・岩盤浴は、体内に蓄積された有害金属を体外に排出させると「医学的に証明されている」。

・腎臓よりも汗腺からの方が水銀の排出には効果的である。水俣病の患者の治療の時にも、発汗により水銀を排出させていた。

・発汗のトレーニングを重ねることで、汗腺は必要なミネラルは体内に戻し、有害物質は体外に排出する『選択性』を習得し得る。

・岩盤浴はNK細胞を活性化させ、免疫力を向上させる。
・岩盤浴の遠赤外線は、卵子の移動を助けるので、不妊症が改善する可能性がある。

 俺のような素人にも判るここまでいい加減な事を、よくもまあ平然とHPで「医学的な説明(一部「仮説」との断り有)」と謳えるものだ。
 ……これで医師とか医学博士とか……本当か?

 それに、薬事法第66条に抵触していないか?
     http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html
===ここから===
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
===ここまで===

 「検証されていない」もので、どうやって『安心』『安全』『健全』という3フレーズを主張するつもりなのかね?
 悪い意味で巷に氾濫するこのフレーズを使ってか?

 現代医学では、医薬品に副作用があるのが判っています。副作用は患者にとり不快で、時には生死に関わる危険性もあります。副作用のない医療を、私どもは試行錯誤して探してきました。
 その結果見つけたのが、岩盤浴です。
 岩盤浴に副作用はありません。
 なぜなら、臨床試験による統計は取っていないので、副作用の有無は確認していないからです。プラシーボ効果を期待しての商品なので、副作用や危険性はないと考えています。

 安心・安全・健全に利用でき、あらゆる病状の改善に効果を期待できます。
 見て下さい、この体験談の数々を。効果がなかった、悪化したという体験談は、岩盤浴が原因だとは言えませんし、岩盤浴の評価を押し下げるものなので掲載していません。勿論、病院で従来の治療を受けて改善した人もいるでしょぅが、岩盤浴の効果を強調するためにも、加療されていた旨は削除しています。一部は架空の人物の体験談も含んでいます。あ、実在する人物の名前を借り、作り上げた体験談もあります。でも、あなた方に本当に必要なのは、科学的に検証された結果ではなく、岩盤浴への信仰です。岩盤浴の素晴らしさを知るあなた方なら、多少の捏造など重箱の隅を突くようなものでしょ?

 こういう事を平然と言ってのける医者には、一言。
 「辞めてしまえ、医者なんか」

 話を少し戻す。
 『』を太字赤にしているのには理由がある。
 『日本岩盤浴協会』という『』の付かない組織が、別にあるからだ。
   日本岩盤浴協会HP
     http://www.musiclabo.com/radium/index.htm

 『日本岩盤浴協会』は任意団体であり、NPO法人の資格を持つ組織ではない。
 しかし、HPによると『岩盤浴』の商標を取得している組織のようだ。

 そして堂々と、
===引用開始(2007年8月3日)===
特許庁が管轄する商標法は、模倣品の
保有と使用を認めていません。
日本岩盤浴協会
なる団体の名称は
日本岩磐浴協会
の類似商号です。
===ここまで===

     http://www.musiclabo.com/radium/onyoku/onyoku1.htm
===引用開始(2007年8月3日)===
日本岩磐浴協会
日本岩盤浴協会
この1字加えたソックリさんは、違法です。
===ここまで===
 と謳っている。

 『岩盤浴協会』では地磁気学・古地磁気学について詳しく説明しているのだが……いかんせん俺の地学の知識が追いついていないので、まともなのか胡散臭いのか判断がつけられない。

 それを踏まえた上で、経験則で言わせてもらうなら。
 『日本岩盤浴協会』は「胡散臭いかも」で保留。
 『日本岩盤浴協会』は似非科学推奨団体で確定。
 このようなところか。
 ……『日本岩盤浴協会』の方は、詳しく調査すれば、違う結果になるのかもしれないけどね。
posted by にわか旅人 at 21:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 似非科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まあほとんど言葉遊びに近いんですが、日本の医学部は6年制なので、卒業時で得られる学位はあくまでも医学士という学士号なんですが、海外ではM.D.(メディカルドクター)という学位が存在し、直訳すると医学博士なわけで、なので、日本でも医師の方が便宜上医学博士という肩書きを使うのは容認(?)されていると聞いたことがあるのですが・・・。実際、名刺に医師の方で名刺に医学博士と刷り込んでいらっしゃる方を何人か見かけたことがあります。これと似たような例としては「国際弁護士」というのがあって、国際弁護士という肩書きは公には存在しませんが、日本で弁護士資格をとって、さらにアメリカなど海外でも弁護士資格をとった人に、そういう肩書きを好んで使う人がいるようです。
Posted by CAT0857 at 2007年08月05日 11:13
>CAT0857さん
コメントありがとうございます。

なるほど。そのようなカラクリ(?)がありましたか。
私も数名の医師・獣医師と名刺を交換した事がありますが、皆さん医師ないし獣医と書いていたので、まったく知りませんでした。

ありがとうございました。
Posted by にわか旅人 at 2007年08月05日 18:29
まあ、若干グレーゾーンらしいんですけどね。なにはともあれ、
より詳しい背景などを書いたものをメールさせていただきました。
もしよろしければご一読の程を。
Posted by CAT0857 at 2007年08月06日 10:53
>CAT0857さん
資料ありがとうございます。受信しました。

早速読ませていただきます。
Posted by にわか旅人 at 2007年08月07日 00:38
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