2007年05月29日

聖テオトニーオ騎士勲章

 以前、勲章について少し書いた。
     http://tsure-zatsu.seesaa.net/article/40439770.html
     http://tsure-zatsu.seesaa.net/article/40780603.html

 その流れで、別の勲章についても調べてみた。
 それが今回の『聖テオトニーオ騎士勲章』だ。

 この勲章を叙勲しているのは、ざっとネットで検索をかけると、2007年5月14日現在、日本人で2人いる。
 『オーガニックゲルマニウム株式会社』と『ルルドゲルマニウム株式会社』の会長、田中好信氏と、『ホリスティック予防医学研究所』の杉喬夫氏だ。
   オーガニックゲルマニウム株式会社HP『トピックス』
     http://www.organicgermanium.co.jp/topics.html
===引用開始(2007年4月25日)===
田中好信博士がポルトガル王立聖テオトニーオ騎士勲章グランド・クロス(勲一等 IRMÃO CONFRADE GRÃ CRUZ DE MÉRITO )を受賞しました。聖テオトニーオ王立勲爵士団はポルトガル王室ドン・ミゲル・デ・ブラガンザ殿下(ビサウ公爵)の庇護の下に設立された伝統ある世界有数の王立勲爵士団であり、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世ならびに、現ローマ法王ベネデイクト16世の祝福を受けております。聖テオトニーオ勲爵士団Grand Priorのユリセス・ロリム伯爵より伝達されました。
===ここまで===

   ホリスティック予防医学研究所
     http://shikoku-net.co.jp/sugikanpani/index.htm

 ホリスティック予防医学研究所のサイトからは『聖テオトニーオ騎士勲章』の記述は見つからないが、『松山市中央倫理法人会 広報誌』のサイトで叙勲について触れている。
     http://www.matsuyamachuou-rinri.com/newpage27.htm
===引用開始(2007年5月14日)===
ホリスティック予防医学研究所の杉さんにポルトガル共和国 国王より「聖テオトニーオ騎士勲章」(日本では勲一等)が贈られました!
   (中略)
昨年7月にはローマ法王ベネディクト3世より「祝福書簡」も贈られ、杉さんの活躍も国際級になってきました!
===ここまで===

 オーガニックゲルマニウム社と松山中央倫理会のサイトでは、この勲章についての説明が微妙に異なっている。
 が、共通して主張しているのは「伝統と権威のある勲章である」という点だろう。

 ……見当違いもはなはだしい。

 これが問題の『聖テオトニート勲爵士団(The Royal Confraternity of Sao Teotonio、『聖テオトニーオ王族結社』の方が正しいと思う)』のHPだ。
     http://www.royalconfraternity.org/Home_Page.html
===引用開始(2007年5月14日)===
The Royal Confraternity was founded in Portugal on 2nd November 2000.
===ここまで===

 設立は2000年11月2日だそうだ。
 ……7年前。どの辺りに『伝統』と『権威』があるのやら。

 ちなみに、ポルトガルは20世紀初頭(1910年)に共和政となっている。そのため、基本的に国王は存在「しない」。
 ……『ポルトガル共和国』と言っていながら、なぜ『国王』なのかね?

 「基本的に」と断りを入れたのは、2007年現在、第一王位継承権を持つ『ドン・デュワテ・ブラガンザ』殿下(1945-)がおり、一応ポルトガル政府からは、Duke of Braganzaを名乗ることを黙認されているからだ。
 肩書き上の『国王』は空席だ。
 勿論、デュワデ殿下に政治に口出しをする権限は無いし、政治からも距離を置いているようだ。また、ポルトガル国軍に入隊した時に、ポルトガル共和国への忠誠を宣誓したそうで、この宣誓により、デュワデ殿下が王位継承権を放棄したとする勢力もあるくらいだ。
 ……という事で、上記松山中央倫理会の「ポルトガル共和国 国王より〜」の下りは誤り。

Wikipedia: Duarte Pio, Duke of Braganza
     http://en.wikipedia.org/wiki/Duarte_Pio,_Duke_of_Braganza
Wikipedia『ポルトガル』
     http://bit.ly/1qGZmal

 『The Royal Confraternity of Sao Teotonio』は、ドン・ミゲル・ブラガンザ殿下の庇護の下に設立されたそうだが、この人物は現在の第一継承者のドン・ドゥワデ・ブラガンザ殿下の弟だ(継承権第4位)。
 一応、HPでもそう謳っている。
===引用開始(2007年5月14日)===
enjoys the Royal Protection of His Royal Highness Dom Miguel de Braganza, The Duke of Viseu and Infante of Portugal.
HRH Dom Miguel is the 4th in line to the succession of the Royal House of Portugal.
===引用開始===

 だからと言って、この人が本当に「庇護」して「設立」させたのかどうかは疑問だ。
 ……王位継承権があるからと言って、そこに何らかの特権があるのか考えてみると、どうも『庇護』できる程の権力は多分なさそうだ、という予想できるのだよな。

 さて、ここで先日紹介した『Other Self-Styled Orders』を出してみる。
     http://www.chivalricorders.org/orders/self-styled/slfstlod.htm
     http://www.chivalricorders.org/orders/portugal/vilavic.htm
     http://www.chivalricorders.org/royalty/fantasy/portugal-false.htm

 ポルトガルが共和制となり、騎士団は『Royal Orders of the Immaculate Conception of Vila Vicosa』と『the Order of Santa Isabel』(女限定)を除いて体制側に乗っ取られたそうだ。乗っ取られた騎士団は、後に国営の専門機関(活動内容は未調査)となり存続している。
 Vila VicosaとSanta Isabelの2つにしても、1983年12月にデュワデ殿下に返還されるまで、1910年から冬眠状態にあった。
 デュワデ殿下に返還されてはいるが、殿下に政治的な権力はないのは、先に説明している。つまり、この騎士位を叙勲されても、何らかの特権を得られるものではなし、実際、殿下からの個人的なギフトという扱いでしかない。
 せいぜいが、与えられた勲章を公の場で身に着けていても、咎められたりしない程度だ。

 ところで、この組織に加入する条件は何だ?
     http://www.royalconfraternity.org/Introduction.html
===引用開始(2007年5月27日)===
Although predominantly Catholic in nature, it is a Royal Brotherhood open to all men and women who adhere to the values and defend the principles of a Christian life.
Non Christians can petition for membership into the Brotherhood as Honorary Confreres.
===ここまで===

 基本カトリックだが、他宗教の信者でもそれなりの寄付をすれば、会員になれるそうだ。

 ……なんだ? さして価値のなさそうな勲章と爵位を、二束三文で売りつける商売に見えるな。

 最後に。
 『Other Self-Styled Orders』は、ポルトガル産の騎士・勲章に関し、こう締めくくっている。
「 ポルトガル国王の隠し子を自称する者が、贋の騎士団を作り叙勲している話がある。Dona Maria de Saxe-Coburgo-Bragancaの名で、最後の国王の娘を自称(国王に子はなかった)する人物が、無価値な名誉や称号を販売して生活していたそうだ。現在はどこかのイタリア人がこの商売を引継ぎ、前任者よりも積極的に活動している」と。
posted by にわか旅人 at 06:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 悪徳商法追放 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
田中好信氏はその他、あの学位商法でTVで放映されたホノルル大学生理学教授、英国フェニックス国際大学医療経営学教授など肩書きが多数あるが、どれも怪しいものばかりだ。
Posted by at 2007年06月03日 02:00
田中好信氏はその他、あの学位商法でTVで放映されたホノルル大学生理学教授、英国フェニックス国際大学医療経営学教授など肩書きが多数あるが、どれも怪しいものばかりだ。
Posted by kenny at 2007年06月03日 02:06
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