2007年05月18日

中国産ジエチレングリコール(3)

 中国のニセグリセリン(中身はジエチレングリコール、有毒)がパナマで医薬品に処方され、365人もの死者(死因確認の取れているのは100人)を出した事件の続き。
 3回目。

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   Walt Bogdanich, and Jake Hooker “From China to Panama, a Trail of Poisoned Medicine.” New York Times, May 6, 2007
     http://nyti.ms/1qH0kne
===Page 3 of 7===
 中国の捜査官によると、それからしばらくしてWang容疑者は更なる利益を求め、より安価な代替シロップの発掘を開始したそうだ。希望する無臭のシロップは、科学書の中にあった―それがジエチレングリコールだ。
 捜査官によれば、その当時の医薬品品質のシロップはトン当たり15,000元、アメリカドルにして約$1,815だったのに対し、この物質はトン当たり6,000~7,000元、$725~$845で販売されていたのだ。

 Wang容疑者は、今回のシロップをQiuihar Pharmaceutical社へ出荷する前に、味見を行うことはしなかった。
 捜査官はこう付け加えている。
 「容疑者はこの物質が危険なのを知っていたが、それに致死性があることまでは知らなかった」

 件の製造会社では、この有毒シロップで5つの医薬品を製造した。胆嚢疾患用のAmillarism Aアンプル、子供用の特殊浣腸薬、動脈疾患用の点滴薬、静脈の鎮痛剤、そして喘息薬だ。

 2006年4月、広東省広州の中国南部では最新鋭の病院で、Amillarism Aの使用が始まった。中には既に重篤状態の患者もいたが、1ヶ月そこそこで、この薬品を使用して少なくとも18人が死亡している。

 Zhou Jianhong氏(33)によると、彼の父は4月19日に初めてAmillasin Aを服用している。その1週間後、父は危篤となった。「最期の時は家いたいものだ」Zhou氏は言う。「だから私は父を退院させた」
 彼の父は翌日に亡くなっている。

 「誰もが医薬品業界に投資したいと考えているし、この業界は成長している。だけど法整備が追いついていない。我々の安全を守る法律が必要だ」
 Zhou氏の発言だ。

 この医薬品による死者は過疎地の者もいるため、最終的な死亡者数は不明確だ。

 四川州の小さな町に住むZhou Lianghui氏は、彼の妻の死因がAmillasin Aの服用にあると、地元公的機関では認めてもらえないと言う。しかしZhou氏(38)は、亡妻の服用した薬品のロット番号が、医薬品局から警告印を付けられたものと一致したと主張している。

 「北京に住んでいるのなら、ここのような小さな町での出来事は想像できないかもしれない」Zhou氏は電話によるインタビューで、こう告げている。「空は高く、皇帝陛下は遠い。ここには法律の通用しない問題はいくらでもある」

 医薬品への毒物混入を政府が食い止められなかったこの事件は、この年のスキャンダルの一つに数えられている。昨年5月、中国のWen Jiabla(温家宝)首相は、「医薬品市場は混沌の最中にある」として、死亡事件の調査を命じた。

 同じ頃9,000マイル(約1万4千500km)離れたパナマでは、長い雨季の始まったところだった。風邪と咳を憂慮した政府の保健機関は、咳止めと抗ヒスタミン剤の製造を開始した。糖尿病の人も飲めるよう、咳止めは無糖にした。

 バルセロナから到着した貨物船Tobias Maersk号には、ほぼ透明淡黄色の47バレルのシロップが積まれていた。このシロップと医薬品が混合されたのだ。出荷伝票によれば、シロップは純度99.5%のグリセリンだ。

 この証明書が捏造だと判明するまでに、数ヶ月と数多くの人命が費やされた。

奇病
 昨年9月初旬、パナマ市の公共病院で医師らは、患者達の通常ならざる症状を目の当たりにしていた。

 最初はギラン・バレー症候群(稀な神経疾患で、発症初期に虚弱感や足に痺れが起きる)と思われた。この虚弱感は人によっては強くなり、腕部から胸部に広がり、時には全身麻痺や呼吸困難に陥る時もある。

 新規の患者にも麻痺はあるが、身体上部への広がりはない。しかもギラン・バレー症候群と一致しない症状に、排尿がなくなるという点があった。

 もっとおかしいのは、発症者の数だ。医師らが一年を通じて見かけるギラン・バレー症候群患者は8人ほどだ。それがわずか2週間で、それに匹敵する数の患者が現れたのだ。

 医師達は伝染病の専門家で、トライアスロンとチェスの達人でもあるNestor Sosa医師の協力を要請した。

 Dr. Sosaの、かつては世界で最も不健康な場所と言われたパナマでの医療は長く、経験に富んでいる。1800年代にパナマでは、黄熱病とマラリアが猛威を奮い、パナマ市の10分の1を殺したと言われている。米国がこの蚊を媒介にする病気を駆逐していなければ、フランスのパナマ運河建設には死者の山が築かれていただろう。

 ギラン・バレー症候群と目された病気は、Dr. Sosaには心配だった。
 「これは本当に異常事態だ。疫病がこの病院に広まりつつある」

 この奇病による死亡率は約50%にも上る為、Dr. Sosaは事態収拾のための医師団の編成と指揮を要請してきた病院経営者に、警報を出した。ドクターに要求された任務―原因追及のための時間とのつらい競争―これこそが彼が喜んで引き受けたものだ。

 この事件の数年前、Dr. Sosaはある医師グループが疫病の原因を突き止めるのに協力している。この疫病の原因は、げっ歯類を媒介にするハンタウイルスだった。

 「私は患者の面倒を見てきたが、全力を尽くさなかったのではないか。そう感じる時がある」
 次こそは違ってみせると、彼は誓っていたのだ。

 Dr. Sosaは24時間体制の『戦略会議室』を病院内に設置した。ここで医師達は、手がかりを得るための記録や理論を比較検討するのだ。
===ここまで===

 2006年5月頃の為替相場は……確か1ドル¥115位だったか?
 となると、医薬品グリセリンで1トン当たり約¥21万、工業用で¥83,000~¥97,000か……。
 パナマ政府がいくらで購入したかはさておき、まさか書類から贋物だったとは、まず思いつかないよな。

 さて、今回の内容によると、容疑者は「グリセリンの替わりに、ジエチレングリコールを出荷した」と読める。
 対して、先日紹介した朝日新聞の記事では、「グリセリンにジエチレングリコールを混ぜて製造していた」という書き方だ。
     http://bit.ly/1jAC3W1

 「New York Timesによると」と前振りをしているのだから、要約するにしても正確に書いてほしいよな。
posted by にわか旅人 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康増進? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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