……俺の名前宛でなくて、何年か前に退職した人宛にね。
名前からして胡散臭く感じるなら、その勘は……正しい。
全部の記事が「怪しい」訳ではないけれど、広告記事になると途端に「怪しい」キーワードが出てくる新聞社だ。
2006年10月11日版の記事から(怪しいと感じた部分には、赤色を付けさせてもらった)。
……半分近く赤くなるとはどういう事だ。
===全文掲載===
ライフタイムバリュー 植物性ミネラル水を上市 高吸収率を特徴に販売
ライフタイムバリュー(東京都新宿区、電話03・5366・3393)は、米国・ユタ州のジュラ紀の地層から採掘した堆積層(ヒューミックシェール)から抽出した「プラントミネラル」(946ml、6300円)、「プラミン」(946ml、6800円)、「ミネラルガーデン」(946ml、1万2000円)の輸入・販売を開始した。これらの商品は同社の主力商品として位置づけられている、電話注文のほかインターネットホームページhttp://www.ltv.co.jpを介しての注文により販売する。
これらの商品の特徴は、「植物ミネラル」を含有していることである。「植物ミネラル」とは、植物が土壌から金属性ミネラルを取り上げ、光合成を介してミネラルの分子を赤血球の7000分の1の大きさにまで分解し、マイナスの電荷を与えたものである。水に溶けるという性質を持つことから、これを摂取すると98%が体内に吸収される。また、マイナスイオンを帯びているため、体内のプラスイオンを打ち消し、細胞の酸化を防ぐことが期待できる。
各製品には1L中に亜鉛やカルシウムをはじめとする70種以上のミネラルが合計2万mg含まれている。原液タイプの「プラントミネラル」ほか、プラム味を付けた「プラミン」、ザクロやブルーベリーなど30種類以上の無農薬野菜・無農薬果汁を独自製法でブレンドした「ミネラルガーデン」など清涼飲料水として商品を充実させている。中でも「ミネラルガーデン」は植物由来のビタミンや酵素、抗酸化物質が豊富に含まれていることからより多くの機能が期待できる飲料として販売を進める。
「プラントミネラル」の製造で大きな役割を果たす堆積層(ヒューミックシェール)は、今から6000万〜1億2700万年前の土壌が氷河期に入った後に炭化することなく植物有機化した状態のまま形成された地層である。これまでの研究により古代植物が地中の微生物により分解されながら自然にキレート化されたものであることが判っている。親水性であるため湧水でろ過することで豊富な植物性ミネラルを抽出できる。また特殊フィルターを用いた逆浸透膜圧方によりコロイドミネラルが1L中に20000mgに調整することが出来る。
製造元の米国・ヤングジュビテイ社の工場では医薬品製造工程に近いレベルの清潔さと性能を持った設備でボトリング。米国のほか、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドへ供給し、全世界で約30万人のユーザーを獲得している。今回、日本のライフタイムバリューと通信販売契約を締結し、一層の供給増を目指している。
米国では近年、アスリートと植物性ミネラルの関係が話題となり、大量の発汗による円滑なミネラル補給飲料として同品に注目が集まっている。
===ここまで===
赤字を付けた部分全てが『似非科学』な理屈だと確信している訳ではないが、『マイナスイオン』とか『プラスイオン』は、ある意味『似非科学』台頭の地位を築いている代物だ。
金属イオンに負の電荷を与えてマイナスイオンって……金属原子MのイオンM^+1に負の電荷(e^-1)を与えてマイナスって……
M^+1 + 2e^-1―――→ M^-1
という理屈か?
……中学生の理科から出直して来い。
これは言い過ぎだとしても、だ。
金属イオンに負の電荷を与えれば、ごく普通に金属原子として析出されないか?
例)Cu^+2 +2e^-1 ―――→ 2Cu ↓
NaやMgのようにイオン化傾向の大きい元素は、この反応には当てはまらないかもしれないけどな。
……と言うかそれ以前に、金属イオンやSOx、NOxらはプライスイオンだと言って嫌っているのが『マイナスイオン信者』じゃないのか?
話は変わって。
逆浸透膜圧『方』とは何だ? 誤字? 『力』『法』どちらかの間違い? そしてなぜか突然、『コロイドミネラル』と言う単語が出てくる謎。
……ついでに説明の内容自体も謎だ。
アスリートと植物性ミネラルの関係が、アメリカで話題になっているかどうかはともかく。
プロ・アマ問わず、アスリートと言うのはかなりの運動を毎日こなしているものだ。であれば、円滑なミネラル補給というのは、ひょっとしたら大事なのかもしれない。
それに対して、アスリートが要求する『円滑なミネラル補給』とやらが、日常生活の運動量程度の(平たく言えば運動不足を指摘される)一般人に、どれだけ必要なのかねぇ?
『運動しなくてもアスリートと同程度の運動能力(基礎体力、新陳代謝、反射能力、筋肉、技術)が身に付き、同程度のエネルギーが消費される』のであれば、買って飲んでみる価値はあるかもしれないけど……。
なぜ注目が集まるのか、その理屈が意味不明だ。
……気が向いたら、他の赤字部分も調べてみるか。